ストーリーは、飢饉に苦しむ天草の村人たちが悪政に耐えかね、奇跡を生み出す16歳の少年、天草四郎時貞の元、立ち上がります。四郎と出会い、志を一つにする「のうみん」、そして仲間たち。しかし四郎には秘密があり……。
敵となる徳川家光、松平信綱、さらに宮本武蔵、伊織親子も引っくるめ、登場人物たちの様々な運命が絡みあい、最後の決戦へと突き進んでいきます。
舞台はスタートから迫力の殺陣やダンスで観客を圧倒。畳み掛けるようなテンポで物語が進行していきます。
かと思えば、ツボを押さえた笑いどころもそこここに散りばめられ、観客は最初から芝居の世界にどっぷりとハマることに。
ド派手な音楽、決めどころにピタリとくる効果音、躍動する役者たちは、三方を客席に囲まれた舞台を飛び出し、生き生きと会場中を駆け回ります。また、芝居の中で演じられるどのキャラクターも個性たっぷり。
グググッとストーリーのなかに引き込んだかと思うと、パッと身を翻し、また次の展開へ。あっという間に驚愕のエンディング、そしてフィナーレへと続きました。
鳴り止まない拍手のなかの出演者全員がステージにそろったダブルコールでは、そとばこまちの舞台が3回目という吉本新喜劇の高井俊彦が挨拶。今回、初めて悪い役をやったとのことで「前回、前々回仲良くしてくれてたのに、ホンマに楽屋でもまあまあ孤独にするやんって思って」と嘆き節。そして、公演前にSNSなどで今回の役のセリフ「搾り取ったる!」を連呼していたら、ファンの方から牛乳をいただいたそう。高井は「搾乳じゃございません、牛乳苦手なんで」と笑わせました。
“写真OKタイム”のあと、最後は主役の鈴を演じた南園みちなの「みなさん、本日は誠に〜」のあと、全員で「ありがとうございました!」と声をそろえ、初日の舞台は終了しました。
劇団そとばこまち第118回公演「のうみん〜三人の天草四郎〜」は10月14日(月・祝)まで連日超満員で上演。殺陣あり、ダンスあり、泣かせるシーンありの舞台は観る者を惹きつけました。