会場はスタート前から参加者たちの静かな熱気に満たされています。まず今回司会を担当する大阪芸術大学卒業生で株式会社カプコン『ストリートファイター』シリーズプロモーションプロデューサー兼eSportsプロデューサーの綾野智章氏が登場。大会の概要や大阪文化芸術フェスについての説明を行いました。
続いて、学校法人塚本学院大阪芸術大学副学長 塚本英邦氏より、関係各位、参加者に礼を述べたあと、『カプ芸杯』が始まった経緯について話し、これまで学内で何度か行われてきたが、今回が一番大きな大会にすることができたと報告。これからも大阪芸術大学はeスポーツを発展させていきたいと意気込みを語り、優勝目指してがんばってください!と参加者にエールを送りました。
株式会社カプコン 代表取締役社長 辻本春弘氏は、カプコンはeスポーツを未来のスポーツと考えていると話し、リアルスポーツと違い、身体能力、年齢、性別に関係なく、ハンディキャップのある人も健常者と同じステージで競い合い、参加でき楽しめる、スポーツという言葉の本来の意味、意義があるのではないかと力を込めます。そして、長期的な観点でeスポーツの振興を進めていくことや、地域や企業とも協力していくほか、誰でも参加できるようなアカデミーの開催などについても言及しました。
続いて、大阪文化芸術フェス実行委員会の構成団体を代表し、大阪府 府民文化部長 岡本圭司氏は、ゲーム世代であることを告白。年齢を重ねると動体視力や反射神経などが落ちるので、若い世代に勝てないと話し、「ゲーム好きならいくつになっても好きでありたい」と力説。50代以上の大会があってもいいのではと提案します。そして、eスポーツが一つの文化、スポーツとして世界で流行しているなかで、カプコン、大阪芸術大学のある大阪で何か大きなものがあるのは当たり前とアピール。観光客が大阪に来たらゲームをして帰ろうという一面があってもいい、現在作ろうとしている大阪城ホールの2倍のアリーナを埋め尽くすような大会に成長していけば、と期待を込めました。
ここからスタッフが対戦者を呼び出すとともに、トーナメントのルール説明などが行われます。大会ルールはBO3ダブルエリミネーション(最大3戦中2本先取したほうが勝利、敗者復活トーナメントあり、グランドファイナルのみ3試合先取のBO5形式など)、1位には35万円(優勝者がJeSUライセンスを保有していない場合は10万円+JeSUライセンス発行になるなど規定あり)、2位10万円、3位5万円の賞金が贈られることも伝えられました。
続いて、解説のマルチゲーマー・どぐら氏、実況の大和氏が登場。どぐら氏が、「びっくりするくらいレベルが高い大会、一人の観戦者として楽しみ」と話すと、大和氏は大阪にはやる気のあるプレイヤーが多いことに加え、今回は海外からも有力プレイヤーが参加していると説明。優勝の行方を最後まで盛り上げていきたい、と語りました。そして、早速予選トーナメントがスタートします。
ステージ上に設置された配信台のほか、会場に置かれたテーブルでもそれぞれ熱いバトルが展開していきます。実況&解説は、激しいバトルには思わず絶叫するシーンもありつつ、配信台のプレイについてリアルタイムでトーク。試合の流れやトーナメントの状況などについての詳細な説明はもちろん、プレイヤーが使うキャラクターの特性や技のほか、eスポーツに関する様々な話題にも話を広げていきます。
3回に分けて行われた予選を経て、いよいよ決勝トーナメントに。勝ち進んだ32名は、激戦をこなしてきた猛者ぞろいだけに、誰もがハイレベル。実況&解説も思わず「どれも見たい!」と熱が入ります。熱戦が行われているテーブルには人だかりも。徐々に日が暮れ、薄暗くなっていく会場で、観客たちからは歓声や拍手も上がっていました。
そして丸一日に及ぶ戦いの末、ついにグランドファイナルバトルへ。ステージには、“コーリン”を使うカワノ選手と“ベガ”を使うYuzuPonzu選手が登場。バトルが始まります。序盤はYuzuPonzu選手が押し気味に進めますが、徐々にカワノ選手が反撃。そのままの勢いでカワノ選手が、優勝をゲットしました。
司会の綾野氏から1位から3位の選手に、優勝のJeSUライセンスを保有でもあるカワノ選手には1位35万円を獲得、2位YuzuPonzu選手には10万円、3位の中国から参加したJiewa選手には5万円の賞金が贈られました。
そして4位から8位の選手にも、協賛の『さきしまCOSMOTOWER展望台』より展望台ペアチケットが贈られました。
今大会を振り返り、実況の大和氏は、今までがんばってたきた若手プレイヤーが優勝したのがうれしいのと同時に、規模として最大級だったことにも触れ、今後もこれくらいの規模で開催できたらうれしいと話しました。解説のどぐら氏は、関西の人間として大阪発の大会が成長していくのを見ることができてうれしいと笑顔。そして、どの試合もレベルが高かったと話し、今後もっと大阪が盛り上がってくれればと期待を込めました。
司会を務めた綾野氏は、今回の大会が産官学の連携した日本初のeスポーツ大会であることに改めて言及したあと、大阪から発信していく大会がどんどん盛り上がっていけばいいとアピール。そして配信の同時視聴者数にも触れ、同時間帯で上位の視聴数だったと報告しました。さらに今回中国から選手が参加してくれたこともあり、もっとインターナショナルな大会になっていければと話し、いい大会になったと思う、と締めくくりました。イベント終了後にはフォトセッションを行い、『大阪文化芸術フェス2019×eスポーツ大カプ芸杯01』は終了しました。