レポート

「ワラウオオサカ」で、なんば一帯が3日間盛り上がる

開催日程:

2024年2月9日(金)~11日(日・祝)

会場:

なんば広場、道頓堀ZAZA、YES THEATER、YES NAMBA広場前、味園ユニバース

2月9日(金)から12日(月)の間、なんばエリアで行われたのが、NON STYLE・石田明が総合プロデュースを行う「ワラウオオサカ」です。このイベントは、2025年に開かれる大阪・関西万博に向けて、大阪の「笑い」を国内外に発信すべく、たくさんの人に楽しんでもらうため開催されました。なんば広場やYES NAMBA広場前を会場にした「ストリートコンテンツ」では海外から招聘したパフォーマーや、大道芸、曲芸、ジャグリングなど多彩なパフォーマンス、プロレスなどを無料で楽しめるほか、YES THEATERや道頓堀ZAZA、味園ユニバースでの「シアターコンテンツ」は、コントやパフォーマンスのステージが行われ、なんば一帯を盛り上げました。

初日の9日(金)には、数多くの芸人、パフォーマーが「なんば広場」でオープニングセレモニーを開催。石田が「大阪府、大阪市の方々と万博に向けて、どんどんイベントをやって楽しんでもらおうと思っています」と話すと、いっぱい食べられて、飲んで、ショーを無料で楽しんでもらえるとアピール。そして「無料、好きでしょ?」と会場に問いかけて笑わせます。さらにいろんなところで無料で見られるコンテンツがあること、そして有料コンテンツもお安く見られると力説しました。なんば広場には、ホルモン丼、肉かすうどん、おでん、パスタ、ラーメン、焼き鳥などの屋台もずらり。

初日から大道芸人やパフォーマーが続々と登場したのが「なんば広場」。1人で10種の楽器を演奏する油井ジョージのステージは名曲『スタンド・バイ・ミー』からスタート。1人なのにバンドメンバー紹介、名曲演奏のほか、即興ソングと断りつつ「ワラウオオサカ」を披露するなど、会場とコール&レスポンスで盛り上がりました。

5人組お笑いアイドルグループKOKOONは1曲目から迫力のあるダンスで圧倒すると、それまでオチ担当だったウォンギのソロステージでは、見事なボイスパーカッションを披露し、大きな拍手を浴びていました。そこから観客を巻き込んでのハンドベルの演奏など、詰めかけた観客も笑いが絶えないパフォーマンスに魅了されていました。

H.A.B(馬建楽、翟淑聡)は派手なアクションとツボを使ったパフォーマンスから。器用にツボを回したかと思うと、次は軽やかに足や背中にのせていきます。続いてはさらに大きなツボが登場。頭の上に軽くのせると、リズムにのって回転させます。その様子に会場からは思わず手拍子も。そのあとも筒をいくつも並べ、重ね、その上でバランスを取るパフォーマンスを披露。会場中が固唾を飲んで見守る中、見事に成功させると、大きな拍手と歓声が湧き起こりました。

高取優耶は華やかな衣装に身を包んでステージへ。軽快な音楽にのせて、次々と仮面を変えていく、中国の伝統芸能「変面」を披露します。目にも止まらぬ早業で仮面が変わっていくたびに、会場からは拍手と歓声が。さらに高取は、台上で椅子を高く積み上げ、その上でアクロバティックな動きを見せるなど、様々なパフォーマンスを披露すると、日が暮れて、気温が下がった会場が熱気と興奮に包まれました。

なんば広場では2日目も数多くのパフォーマーがその技を披露。ジャグリング、パントマイム、マジック、バルーンなどで、1万回以上のショーをこなしてきているというMr.オクチのステージは、獅子舞が登場する和のテイスト。ティッシュペーパーが口から終わりなく出てくるというコミカルなマジックやリングを使ったジャグリング、さらに客席から子どもをステージに上げると、いっしょに日本刀を使った皿回しに挑戦するなど、会場を巻き込んで盛り上げました。

完全覆面ビジュアルの次世代パフォーマンス集団、MASKED SHOWMANは、陽が暮れたあとのステージに登場。まずはダンサーが1人現れ、クオリティの高いダンスをいきなり始めると、たちまち会場には多くの人が集まり始めます。そして「PLEASE  ENJOY THE SHOW」のメッセージを掲げたあと、ダンサーが7人に増殖。いよいよフルパワーのパフォーマンスがスタートします。ダンサーたちの手にはカラフルなスティックが握られていて、ダンスと音楽、そして光が完全にシンクロ。そのあともハイレベルなパフォーマンスの連続に観客からの歓声、手拍子が止みませんでした。

YES NAMBA 広場前の特設リングステージでは、大阪プロレスが「ちびっこプロレス教室」を開催。参加する子どもたちは名前を呼ばれると、全員がリング上へ。先生は大坂丈一郎、タイガースマスクの両選手が務めます。タイガースマスクからは「プロレス教室とは名ばかり、入門テストやからね!」と檄も飛びました。そしてまずは自己紹介から。全員が名前と年齢を発表していきますが、中にはプロレスラーになりたいという子も。タイガースマスクの「全員合格や!」の声のあとは、いよいよ実技です。子どもたちはリング上で順番に前転、ポーズを決めると観客からは拍手も起こりました。ここでも「全員合格!」の太鼓判が。続いてのスクワットでは、大坂丈一郎が手本を見せると、子どもたちもスクワット12回にチャレンジし、見事に成功します。そしていよいよ大坂丈一郎と子どもたちの特別試合へ。子どもたちは力を合わせて勝利をゲット。最後は記念撮影のあと、大阪プロレスのシールがプレゼントされていました。

特設リングではジャグリングやマジックとコメディをミックスしたパフォーマンスを楽しませてくれるidio2も登場。シェイカーカップや水晶玉などを使って息の合ったパフォーマンスを見せていく2人。ロープに上がって観客を煽ると、ロードコーンやバルーンなどを使って、さらに盛り上げていきます。カラフルなハットをスピーディにやりとりするパフォーマンスでは会場から歓声も。ラストは観客の子どもも加わり、3人そろって盛り上げました。

道頓堀ZAZA HOUSEで行われていたのは「Laugh Museum」。GABEZ(MASA、hitoshi)を始め、5GAP(クボケン、とも)、木下弱、加納真実、森田智博、Hannahといったメンバーが集結し、素晴らしい舞台を見せてくれます。
ステージにはまずGABEZの2人が登場。しかし歓声と拍手が少なかったことを手振りだけで指摘し、もう一度登場をやり直し。再び2人が現れると、会場は大きな拍手と歓声に包まれます。そこからハンドクラップで会場とコール&レスポンスするなど、ノンバーバルの世界観に観客を引き込んでいきます。

ここからはそれぞれのパフォーマンスの時間。マジシャン、Hannahは、音楽を効果的に使った華やかなマジックで会場を魅了。木下弱はバランス芸と冷却シートを使った芸で笑わせます。喫煙所を舞台にしたコントを見せたのは5GAP。青いジャージ姿で登場した加納は、名曲『恋人よ』をバックに会場を巻き込んだシュールなステージを展開し、森田は中国ゴマやボールを使った華麗なジャグリングを披露しました。

続いては今回の出演者全員でのパフォーマンス。舞台は夜のミュージアム。名作たちが昼間と変わらない形で展示されていますが、夜も更けてくるとそれぞれが自由に動き始めます。その作品たちと、この物語の主人公である悩めるアーティストが出会う……といったストーリー。

細かな笑いどころがあちこちに散りばめられていたほか、ストーリー展開のために動画を効果的に使うなど、初めてノンバーバルのパフォーマンスに触れる人にもわかりやすく作られているのはもちろんのこと、コミカルな動きや豊かな表情など、やはり出演者それぞれのスキルの高さが印象的。言葉がなくても親しみやすく、誰にも楽しめる作品に仕上げられていました。

2日目のラストを飾るのは、味園ユニバースで行われた「OSAKA SKIT theater
~ Mix mash Performance Night」。「なんば広場」でもパフォーマンスを披露したMASKED SHOWMANのほか、竜小太郎、アンジェリーナじゅり子、イルローザ、イリザローション、ニーハオ オシャミ、ベティ・ビッチョリーナ、ROBIN E.McQUEENといったドラァグクイーンメンバーがステージを彩ります。

1組目はMASKED SHOWMAN。大音量のサウンドが流れるなか、光と音が完全にシンクロしたステージがスタートします。その素晴らしいパフォーマンスに会場もヒートアップ。メンバーの煽りに合わせて、ハンドクラップも熱を帯びていきます。続いてメンバーの2人がステージを降りると、キレキレのダンスを披露。煌めくLEDを使ったパフォーマンスのあとは、バスケットボールを自在に操るなど、華やかなステージを見せてくれました。

続いては、大衆演劇から登場の竜小太郎。ステージはまず暗闇の中、尺八の音色が響き渡ります。それに重なる迫力ある太鼓の音のあと、三味線が聞こえてくると、幻想的なライティングに竜の姿が浮かび上がり、華麗な舞がスタート。「日向岬」や「宗右衛門町ブルース」など、演歌の名曲にのせたステージは、舞踏の中で繰り広げられる曲ごとの早変わりパフォーマンスが白眉。会場をぐるりと周るとおひねりを手渡す観客もいるなど、しっかりと盛り上げました。

ラストはリップシンクで最大の表現を繰り広げるドラァグクイーンメンバーによるパフォーマンス。1曲目は『アイドル』をバックにアンジェリーナじゅり子がステージに飛び出します。2曲目はイルローザで『Mi Realidad』。ジャグリングピンを使ったヤキモキさせるステージに続いては、ベティ・ビッチョリーナの『It’s not about me』。情熱的な曲にぴったりの熱いダンスを見せてくれました。『High On Your Love』で迫力あるステージングを披露したのは、ニーハオ オシャミ。ROBIN E.McQUEENは「アナと雪の女王」のエルサのコスプレで登場。日本でも大ヒットした『Let It Go』を、ダンサーを従えて熱唱すると、会場も大歓声を上げます。トリを飾ったのはイリザローション。『I am what Iam』を歌い上げると、会場も手拍子でレスポンス。そしてそのまま全員での『アクエリアス』へ。ファッションショーのランウェイを歩くモデルのように改めて1人ずつ登場し、全員が勢揃い。ゴージャスで煌びやかなショーは幕を下ろしました。

イベントの最後は、出演者全員がステージに。出演者全員に大きな拍手が送られたあと、ラストチューンは『ダンシングクイーン』。全員がそれぞれサビで花道を歩くレアバージョンで、イベントはエンディングまで大盛り上がりでした。

3日目のYES THEATERでは「ワラウオオサカグランプリ」を開催。プロ・アマを問わず日本中から集結したパフォーマーによるオーディションライブは、大盛り上がり。司会に総合プロデューサーの石田、審査員は、後藤ひろひと、GABEZ(MASA、hitoshi)、ウエスPが務めました。

ルールとして、パフォーマーは6名でパフォーマンス時間は各5分、登場順は抽選で決定、パフォーマンスが終わる度に審査を行い、暫定チャンピオンとどちらが良かったか判定することなどが伝えられたあと、観客も審査に参加することを発表。

1人目は、2022年のジャグリング全国大会で準優勝という経歴を持つ石水タヰキ。中国ゴマを使ったハイレベルなパフォーマンスを見せてくれます。それぞれのコマが意思を持ったように自由に動き回る様子はさすが。最大4つのコマを同時に操る姿に拍手が起こりました。

2組目は、平日は会社員、土日に大道芸人というカラーコーンダクターあつき。まずカラーコーンをかぶって「コ〜ンにちは〜」と会場に挨拶。まずは4つ、続いて8つのカラーコーンを積み上げると、アゴにのせるパフォーマンスを披露。そこからスティックを使って自由にカラーコーンを操っていきます。

18年を超えるけん玉歴を誇り、競技、パフォーマンス、どちらの大会も優勝歴があるという、けん玉パフォーマーたいがが3番手。軽快な三味線の音色をバックに、全身を使って難易度の高い技を次々と決めていきます。キメで失敗した際には笑顔で再チャレンジ。最後は華麗に決めてくれました。

続いては17歳からプロとして活動、国内外の大会で日本代表に選ばれた実力派、Junmakiです。扇子や傘などを駆使した和の世界観で展開するパフォーマンスは華麗。色とりどりの布を使うなど、華やかさも抜群でした。

5番手は兵庫県出身25歳のパフォーマー、滝沢涼。観客の考えていることを当てる「マインドリーディング」を行うと話すと、1人の観客を舞台にあげます。そして、サイコロの目、好きな色、昔の友達の下の名前という3つを想像させると、次々とそれを的中。当てられた観客は正解が告げられるたびに驚きのリアクション。その様子に会場も盛り上がりました。

ラストは、ぐらぐらピエロみーちゃそ。ボードと筒を使ってのバランス芸では、ぐらりと揺れるたびに「ああ〜ッ」と声が聞こえるほど、会場を引き込みます。そしてバルーンアートではビッグサイズのドラゴンを披露しますが、「昨日割ってしまって、今朝までかかって作ってました」と明かしていました。

いよいよ最後の審査。優勝はけん玉パフォーマーたいがに決定しました。たいがは「第一回のチャンピオンになれたのがうれしい」と笑顔。hitoshiは「けん玉本来の美しさが感じられるパフォーマンスだった」と賛辞を送りました。そして後藤からトロフィーが渡されると、たいがは改めて「優勝が自信につながります」と話しました。

エンディングではパフォーマーが全員集合。「楽しんでいただけたのがうれしかった」、「今後もがんばっていきたい」など、それぞれがイベントを満喫したことを話すと、後藤は「選ぶのがつらかった、このメンバーでひとつのショーができれば」と提案。MASAは「みなさんスキルがある、楽しかった」、hitoshiは「見せるところは完璧なので、ひとつ抜くところができれば」とアドバイス。ウエスPは「見ていて楽しかった、複合的な技術が必要なんだと勉強になった、お互いがんばりましょう!」とエールを送りました。

YES NAMBA 広場前の特設リングでは、この日も大阪プロレスの面々が躍動。この日は大阪プロレスらしさいっぱいの楽しい試合を見せてくれます。時間になるとゴングが響き、6人タッグマッチが行われることがコールされると、次々に選手が入場。試合がスタートします。肉体と肉体がぶつかり合う様子を目の前で見られるのは、まさにプロレスの醍醐味。女子選手同士の対決も迫力満点です。とはいえ、大阪プロレスらしさもたっぷり。試合中に敵同士がトークを始めるのは当たり前、自己紹介を始めたかと思うと、その途中に攻撃され、フォールされかける、芸人ばりのお約束のコンビネーションで盛り上げるなど、笑いと力強さがミックスされた試合に、詰めかけた大勢の観客も大満足でした。試合後にはゼウスが「ご来場ありがとうございました!と観客に感謝。そして「ワラウオオサカは祭りやで!」「ワッショイワッショイワッショイ!」のコール&レスポンスで締めくくりました。

3日間続いた「ワラウオオサカ」もいよいよ大詰め。「YES THEATER」では3日間とも上演されていた「CHALLENGE」の最終公演が行われました。「CHALLENGE」は海外の人にも通じるコンテンツとして、音楽や映像を駆使したノンバーバル設定のコントライブ。石田のほか綾野アリス、植松正太(舞々)、関好江(ボルサリーノ)、川端チョイス、ウエスP、Mr.BunBun、GABEZ、ず~まだんけ(2/9,10)、久保田悟(2/11)といったメンバーが出演しました。
石田演じる冴えないサラリーマンが美しい女性に出会い、勇気を持って一歩踏み出すことで、ヨタヨタしながらも前に進んで……というストーリー。ライブは冒頭から石田が登場、言葉を発さずBGMに合わせて会場を煽っていきます。そしてほかのキャストも登場、ダンスが始まると、観客を舞台に上げていっしょにダンス。ライブがスタートします。

ライブは全編が音楽とダンスにあふれた仕上がり。石田はキレキレのダンスを見せたかと思うと、しっかりと“魅せる”パントマイムも披露。電車内から駅ホームへの移動、そしてレストランへなど、場面転換や時間経過にも音やフリップなどをうまく使っていきます。

途中、インターバル的に川端チョイスが登場。ダイスのスタッキングにチャレンジしますが、雲行きが怪しげ。しかし最後はキレイに決め、拍手を浴びます。続いては久保田悟がステージに、言葉無しでハイレベルなけん玉パフォーマンスを連発。そしてウエスP、Mr.BunBunもそれぞれのパフォーマンスでしっかりと盛り上げました。場面が変わると今度は石田がスタッキング、けん玉、ジャグリングにチャレンジ。その姿に会場からは笑いや拍手も起こりました。

コントは主人公の心情の激しいアップダウン、夢と現実の行き来もありつつ、タイトルでもしっかりとオチをつけ、見事にハッピーエンド。会場の手拍子が響く中、キャストのダンスでエンディングへ。最後はパフォーマーも含めて全員が再びステージに登場し、会場に感謝を伝えました。

  • イベント名
    ワラウオオサカ
  • 開催日

    2024年2月9日(金)~11日(日・祝)

  • 会場

    なんば広場、道頓堀ZAZA、YES THEATER、YES NAMBA広場前、味園ユニバース

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