2月22日(土)、河南町の大阪府立近つ飛鳥博物館と近つ飛鳥風土記の丘で「かなん梅香寄席祭~近つ飛鳥で上方演芸を楽しもう~」が開催されました。

古墳時代から飛鳥時代にかけての多彩な古墳の宝庫である近つ飛鳥で、上方演芸の寄席をはじめ、演奏会や「風土記の丘」をめぐるウォーキングツアー、雛飾りづくりのワークショップなど盛りだくさんの内容で、会場は大勢の人の笑顔で溢れました。また、当日は河南町主催の「かなん苺マルシェin近つ飛鳥」、近つ飛鳥梅いっぱい委員会・近つ飛鳥博物館主催の「うめまつり」が同時開催され、河南町の魅力が詰め込まれたイベントとなりました。


大阪府立近つ飛鳥博物館 地下ホールでは、「かなん梅香演芸寄席」が開催されて大賑わい。会場は立ち見が出るほど盛況で、寄席の映像が流れる会場外のモニター前にも多くの人が集まりました。第一部では、まず特別ゲストとして大阪・関西万博公式キャラクター・ミャクミャクと大阪府広報担当副知事・もずやんも駆けつけて、会場を盛り上げました。もずやんは、この日、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンのロゴが入った衣装を着用し、大阪・関西万博をアピールしました。続いて旭堂南龍が舞台に上がり、迫力満点の講談を披露しました。「歴史を扱う講談を」という要望は過去にも受けたことがあるそうで、まずは京都や奈良の寄席に出た際に起きた笑い話を繰り出して客席を温めます。そして、厩戸皇子こと聖徳太子を題材にした講談でお客さんをぐっと惹きつけます。決戦のシーンで軍勢が相まみえようとしたところで「ちょうど私の持ち時間となってしまいました! この続きが気になる方は個人的に私に問い合わせを」と講談らしく続きが気になる締めくくりでお客さんを笑わせました。また、笑い飯(西田幸治、哲夫)は漫才を。場所が「近つ飛鳥博物館」ということで、「我々は奈良出身で、奈良にも博物館がありまして……」と、『M-1グランプリ』でも披露した「奈良県立歴史民俗博物館」のネタを演じ、観客は大喜びでした。



第二部は、ネイビーズアフロ(みながわ、はじり)の漫才からスタート。ネタは「歴史が好き」というみながわが、得意の雑学を披露していくというもので、“飛鳥”の由来や歴史にまつわる豆知識や、聖徳太子が定めた「冠位十二階」にまつわる雑学など、盛りだくさんに織り交ぜて客席から拍手が起こる一幕も。続いては、太神楽曲芸師の豊来家板里が登場。扇子を使った曲芸や皿回し、開いた傘で枡を回して見せる傘回しなど、さまざまな曲芸で魅了しました。続いて桂かい枝は天照大神の物語や竹取物語といった歴史深い話を繰り出し、さらに「落語の祖」といわれる安楽庵策伝上人の「醒睡笑」という本から、およそ400年前の小噺をいくつか披露して盛り上げ、会場は大きな拍手と笑いに包まれました。


「風土記の丘ウォーキングツアー」は、午前・午後の2回実施され、近つ飛鳥風土記の丘管理事務所前からスタート。大阪府立近つ飛鳥博物館の学芸員・谷崎仁美氏による解説のもと、およそ45分かけて風土記の丘に保存されている群集墳「一須賀古墳群」をめぐるというものです。
午前の部には、サポート芸人としてネイビーズアフロが同行し、ツアー参加者と一緒に古墳をめぐりました。山の中に点在する古墳の数々に興味津々の皆さん。とくに石室の中を見学したり立派な家形石棺を目の前にして石棺の説明を受けたときは、近つ飛鳥の歴史やロマンに触れて「へぇ~!」と参加者から驚きの声が上がることも。蕾が膨らみ始めた梅林を通り抜けた際は、ネイビーズアフロ・みながわが、梅にまつわる雑学を披露して盛り上げ、参加者は大喜びです。自然にあふれるルートを抜けて、ゴール地点の博物館正面玄関に到着。


午後の部には、サポート芸人としてはるかぜに告ぐ(一色といろ、とんず)が一緒に、同コースを巡りました。午後の部は、ときおり小雪がちらつく空模様でしたが、笑顔にあふれるツアーとなりました。


大阪府立近つ飛鳥博物館1階ロビーで行われていたのは、「うめまつり」のワークショップ。子どもから大人まで色鮮やかな色紙を使い、男雛・女雛、そして屏風や雪洞など、雛飾りをつくって楽しみました。ボランティアスタッフに加えて、ファンファーレと熱狂も雛飾り作りをサポート。同じ作業机に座って一緒に雛飾りを作りながら雑談も楽しんだり、和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。

同時開催された、河南町主催「かなん苺マルシェin近つ飛鳥」では、河南町産のフレッシュな苺の直売や、河南町産苺・紅ほっぺを使ったパンやスイーツなど、苺を堪能できる店がずらりと並び、おいしい苺を求めて行列ができていました。


また、マルシェの近くでは、河南町内で苺を栽培している農家さんのグループ「かなんの星の会」主催の「推し苺を見つけまSHOW!」として、苺の品評会が開催されファンファーレと熱狂(奥慎太郎、こうちゃん)が司会進行として参加し、会場を盛り上げました。


「かなん梅香寄席祭~近つ飛鳥で上方演芸を楽しもう~」の締めくくりは、「黄泉の塔 演奏会」。ピアニストの加藤美季、ヴァイオリニストの勝森菜々による野外演奏会です。まずは加藤美季によるピアノ演奏を。黄泉の塔がそびえ立つ大階段には演奏を楽しみに集まった方々が腰をおろし、響き渡るピアノの調べに耳を傾けます。
一須賀古墳群の壮大な眺めを背景に、バッハの名曲を続けて2曲演奏。そして古墳の宝庫である近つ飛鳥にちなんで“墓”という意味を持つトンボーを題材にしたクープランの『ブランロシェ氏のトンボー(「組曲 ヘ長調」より)』、そしてラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』を演奏。その最中に雪がちらつき、演奏後に加藤は「鎮魂の曲を弾いていたら、雪が降ってきました」と感慨深げに語りました。後半は、ヴァイオリン・勝森菜々とのデュオ。パッヘルベルの『カノン』やバッハ『G線上のアリア』という、誰もが知る名曲に、メロディに合わせて体を揺らして聴き入るお客さんの姿も。さらにヘンデルの『オンブラ・マイ・フ』、そしてベートーヴェン『ヴァイオリンソナタ「春」第1楽章』を演奏。勝森の「雪が降る中、『春』というのもなんなのですが……」との言葉にお客さんも思わず笑い声がこぼれる一幕もありました。演奏後、古墳の前での雪が降る中での演奏会を「一生忘れられません」とも語り、雪の中、演奏を楽しんでくれたお客さんたちの姿に「まるで戦友のような気持ちになりました」とも。舞い散る雪も手伝ってますます幻想的な雰囲気に包まれた演奏会が終わり、「かなん梅香寄席祭~近つ飛鳥で上方演芸を楽しもう~」は幕を下ろしました。