11月8日(土)・15日(土)にわたり、東大阪で大阪文化資源魅力向上事業『KŌBA ART&SONIC』が開催されました。
大阪文化芸術事業実行委員会では、2025年大阪・関西万博を契機に、府内各地の日本遺産や文化財等を舞台とした文化芸術プログラムを展開する「大阪文化資源魅力向上事業」を実施。『KŌBA ART&SONIC』は、モノづくりの町・東大阪で開催される「オープンファクトリーこーばへ行こう!2025」との連携企画として、まち工場を舞台に“アート”と“音”が融合する特別なプログラムを開催しました。




また、「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪2025」として、アーティストと東大阪の「まち工場」がコラボレーションを行いました。今年で3年目となるこの取り組みは、「まち工場」で制作されるアート作品を東大阪の新たな文化資源と位置づけ、その魅力を発信していくというもの。今年は10人のアーティストを10の工場とマッチング。大阪・関西万博のテーマでもあったSDGsの視点から、廃材を活用して作られたアップサイクルアートとして、オリジナリティあふれた「ファクトリーアート」作品を制作しました。作品は、制作が行われた各工場で展示されたほか、『KŌBA ART&SONIC』会場内でも一部の作品展示が行われました。
1日目となる11月8日(土)に行われた「ART&JAZZ」の会場は、東大阪市御厨中にある三和紙業株式会社 TSUNAGI。
まずステージに登場したのは、「モノづくり東大阪応援大使」を務めるモンスターエンジン(西森洋一氏、大林健二氏)です。東大阪の鉄工所を実家に持つ西森氏が披露する、まち工場ならではの緻密なディテールや職人のこだわりに、お客さんは思わず笑い声をあげます。

続いて、ゲストとのトークセッションでは、「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪2025」をプロデュースした株式会社IDEABLE WORKS代表取締役 寺本大修氏、そしてこの日の会場でもあり、連携企画「オープンファクトリーこーばへ行こう!2025」の実行委員でもある三和紙業株式会社 代表取締役 松田加奈氏がステージに。
三和紙業株式会社も作品制作の場のひとつで、アーティスト・慈観雅之氏の「つなぎ」をテーマにした紙のインスタレーション作品『TSU-NA-GI 開(つなぎ・ひらく)』が展示されました。

続いて、「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪2025」の表彰式が行われました。
まず「西森賞」に選ばれたのは、守時はるひ氏とジャック製菓株式会社のコラボ作品『ヤッター!めんを探せ』。

続いて、「こーばへ行こう!賞」に輝いたのは、pamper party nomura tomoyo氏とレンズビーンズによるコラボ作品『Resonant Singularities -響き合う特異点-』。

ここで、サプライズゲストとして野田義和東大阪市長も登壇。
「ものづくりを盛り上げて、東大阪のものづくりが日本の、世界のものづくりを支えているんだと誇りを持ちながらやっていきましょう」と激励。そして、「東大阪市長賞」に選ばれたのは、ハナイ・チエ氏とタツタ電線株式会社とのコラボ作品「命/宇宙」です。

最後のプログラムはアートとジャズのコラボステージ。株式会社たくみ工芸とコラボレーション作品をつくったSky氏(作品名「Beyond Vector -その線の先ヘ-/Piece Beat-共鳴の鼓動-」)が、ジャズユニット「asobiyoshi」の演奏に合わせてライブペインティングを行います。お客さんたちは、ジャジーなリズムに体を委ね、みるみる仕上がっていく作品を見つめます。すると次第に、キャンパスいっぱいの花の絵が浮かび上がりました。

2日目となる11月15日(土)の「ART&RHYTHM」の会場は、東大阪市菱江にある株式会社上山製作所。

まずオープニングは、スマイル(瀬戸洋祐氏、ウーイェイよしたか氏)による漫才から。布施出身の瀬戸は東大阪のことを「馴染み深い、大好きな町」と語り、お客さんのハートをしっかり鷲掴みに。

続いては、ゲストとのトークセッション。「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪2025」をプロデュースした寺本大修氏、サクラテック株式会社 取締役COO中村貴広氏、また、「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪2025」の作品制作の場となったサンビー株式会社 代表取締役社長 山本忠利氏。
寺本氏は、「これまで町工場はものを作る現場でしたが、そこにアート作品が根付かせることで、東大阪全体の魅力をアートも含めて作っていくという取り組みです。」と説明。

山本氏からは東大阪のまち工場の魅力が語られます。またアーティストとのコラボを、「普段はアーティストの人と話す機会がなく、アーティストの方は未知なところがあります。今回の取組で、アーティストの日常も聞いたり、そういうのがすごく楽しいです」と刺激になったようです。中村氏は、「東大阪は、心が温かい人が作り上げている街だなと感じます。その中に、ものづくりの産業があり、ものづくりが価値のあるものだと広く知ってもらえたらうれしいです。目標はアートを100作品誕生させて、『東大阪ってどんな町?』と聞かれたときに、ものづくり、ラグビー、そしてファクトリーアートもあるよ、と文化として話していただきたい。」と意気込みました。
この日最後のステージは、和楽器ライブとライブペインティングです。
ハナイ・チエ氏は、タツタ電線株式会社とのコラボ作品「命/宇宙」をつくりあげた現代アーティスト。演奏を担当するのは、海外での公演も行っている和楽器ユニット・TRAinnovationです。
和太鼓に加え尺八や三味線が演奏されます。また、スペシャル企画として上山製作所本社工場のサウンドサンプリングを織り込んだ演奏など、サイバーなリズムと和楽器とのコラボレーションも印象的でした。

また、この日の会場となった株式会社上山製作所の工場見学が行われ、約15名の参加者がスマイルとともに工場内を巡りました。参加者たちは、プラスチックの材料となるペレットが詰まった重量25kgの袋を持ち上げる体験や、チャームを作るプロセスを間近で見学。その後工場2階へ移動し、チャームに好きな番号を印字できる体験もあり、参加者たちは興味津々でした。

「町工場」とアート、そして音が交差する、心に残る二日間となりました。