11月13日(土)、大阪府大阪狭山市の府立狭山池博物館を舞台に、大阪文化芸術支援プログラムの一環として、「狭山池博物館で狂言と浪曲を楽しむ会」が開催されました。
狭山池は、日本書紀や古事記にも登場するほどその歴史は古く、1400年前の飛鳥時代に築造された日本最古のダム式ため池です。大規模改修前の堤を切り出し、土木遺産として保存・公開されているのが府立狭山池博物館。建築家の安藤忠雄さんが建物の設計を手掛け、2001年に開館され、今年はちょうど20周年にあたる記念の年です。
会場では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、入場時の検温や手指の消毒、マスク着用のほか、「大阪コロナ追跡システム」登録のお願いなどの対策がとられました。また、鑑賞は事前申し込み制としたため、混雑もなくスムーズに入場いただきました。
博物館前に特設された舞台にMCの佐々木ひろみさんが登壇して開演。本プログラムの意義と、披露される狂言の演目が狭山池にちなんで、野中の澄んだ湧き水にまつわる「清水」、浪曲の演目が「太閤記 秀吉の報恩」と説明。最初に大蔵流能楽師狂言方の上吉川徹さんが「狂言」について、歴史や鑑賞の仕方など、実演を交えながら解説しました。
続いて狂言の上演がスタート。シテ・太郎冠者(たろうかじゃ)を小西玲央さん、アド・主人を善竹隆平さん、後見を上吉川さんがそれぞれ務め、巧みな会話の切り替えしや豊かな表情で、時折、会場から笑いを誘いながら熱演しました。
MCから、浪曲について、三味線を伴奏に物語を語る演芸で、明治時代初期に大成されたことなどを解説。続いて、2018年に文化芸術の向上に功績顕著だったとして大阪府知事表彰を受けた五月一秀さんと、曲師の藤初雪さんが登壇し、浪曲「太閤記 秀吉の報恩」がスタート。五月さんの歌と語り、息を合わせた藤さんの三味線と掛け声で聞きごたえたっぷりの舞台を披露しました。