1980年から中国・上海市と友好都市として交流を実施している大阪にはぴったりの、まさに長らく待っていた演奏会。
今回は12名が来日して第一部、第二部、11曲を演奏してくれました。オープニングを飾った「行街」は結婚の時に練り歩きながら演奏していた曲。後半 につれ盛り上がり、気分は徐々に高揚してきます。
続いて中国十第名曲のひとつ「陽春白雪」を琵琶2面で演奏。庭で演奏される曲だけあって清々しさを感じられる一曲。
そして「薫風曲」は日本の人間国宝に当たる無形文化財顕彰人も登場しての演奏。「二泉映月」は1950年代初期にレコードが作られ中国で大ヒットした曲で、二胡の魅力が存分に発揮されていました。
そして第一部最後を飾るのは「楓橋夜泊」。
月落ち烏啼いて 霜天に満つ 江楓漁火 愁眠に対す 姑蘇城外 寒山寺 夜半の鐘声 客船に到る
中国の詩人、張継が蘇州郊外での旅愁をうたったこの漢詩は中国でも名作として今も愛されているそうで、なかなか寝付けない夜の長さをうたったもので、それをイメージして作られたそうです。箏の奥行きある音、笙の深淵なる音が夜のしじまを彷彿とさせていました。
休憩を挟み、第二部は1曲目は新曲で「御風」。広大な大陸をイメージさせる馥郁たる音。そのあと、「蘇渓煙雨」「歓楽歌」と続き、
最後の2曲は大阪上海友好交流大使でもあるコブクロの「桜」と「蕾」をカヴァー。中国伝統楽器で奏でられるそれらの曲は普段のコブクロのイメージとは全く違う印象を受け新鮮。3ヶ月みっちり練習したそうで、実は中国伝統楽器の音階にファの音がないそうで、かなり苦労をしたそう。その成果が実った素晴らしい演奏で、上海と大阪、音の文化交流がしっかりできた夜でした。