12月6日(水)、大阪市北区のザ・シンフォニーホールで「Enjoy!オーケストラ~銀幕を彩る珠玉の名曲たち~」を開催。下野竜也の指揮と楽しいトーク、そして大阪フィルハーモニー交響楽団が素晴らしい演奏を聞かせてくれました。
第1部の「銀幕の永遠の名曲たち」では、数々の名作を盛り上げた佳曲が宮川彬良の編曲で演奏されました。まずは「ウエストサイド物語」より『アメリカ』からスタートです。曲が終わると、下野は今日のイベントが映画音楽を中心としたプログラムであることを伝え、大阪フィルハーモニー交響楽団を紹介。そして26年前に指揮研究員として大阪フィルハーモニー交響楽団で勉強していたことを明かし、今日は宮川のすばらしいアレンジの映画音楽をお届けしたいと話します。
2曲目の『ひまわり』のテーマについては、とても悲しい物語と話すと、ウィーンに留学していたとき、同級生に主演のソフィア・ローレンの息子がいたというレアなエピソードを披露。3曲目は『ニュー・シネマ・パラダイス』メドレー。下野はソロを担当した奏者を紹介したあと、ここからは、ディズニーの曲を2曲。『白雪姫』メドレー、『メリー・ポピンズ』メドレーが演奏されます。下野は、会場から子どもの声が聞こえると、「ママとお話しながら聞いていいんだよ」と呼びかけつつ、その代わりイビキは傷つくからダメと笑わせます。
演奏が終わると、「次の曲は一度聞いたら忘れられないすばらしいメロディ」と紹介し、物語が深まるごとにどんどん転調され、高まりを見せていく展開について「宮川さんが大阪フィルハーモニー交響楽団を念頭にアレンジしてくださったんだなと思う」と説明。さらに、自身が指揮研究員時代、宮川がリハーサルで発したという今でも胸に残る言葉を明かすと「悶えるほど指揮をしてみたい」と、前半ラストの『シェルブールの雨傘』のテーマを聴かせてくれました。
休憩を挟んだ第2部は「映画と世紀を超えた大作曲家たち」。
映画『ジュラシック・パーク』のテーマからスタートです。「後半はこの1曲目を手がけたジョン・ウィリアムズの作品を中心に演奏します」と下野。続いてはオペラの作品と伝えると、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(映画「ゴッドファーザー PARTⅢ」より)へ。演奏が終わると、第2部のメインであるジョン・ウィリアムズは多彩な作曲家と話し、一番覚えているのは「JAWS」と明かした。映画「ハリー・ポッターと賢者の石」より『ヘドウィグのテーマ』、映画 「インディ・ジョーンズ」より『レイダース・マーチ』の2曲を。そして、この映画がきっかけでマーラーブームが起こったといってもいい、とマーラーの交響曲第5番より第4楽章『アダージェット』(映画「ベニスに死す」より)へ続けます。
最後は、「今日は皆さんと懐かしい映画音楽を一緒に楽しむことができてうれしく思います」と話して、映画「スター・ウォーズ」よりジョン・ウィリアムズ作の『王座の間とエンドタイトル』を演奏。演奏が終わると、会場からは下野、そして大阪フィルハーモニー交響楽団に拍手が送られます。鳴り止まない拍手に、久しぶりにこのザ・シンフォニーホールで皆さんに聞いていただきたいと、アンコール曲は上田正樹『悲しい色やね』(林哲司作曲)。大きな拍手に包まれるなか、コンサートは終了しました。