2月22日(木)道頓堀ZAZA HOUSEで「OSAKA SKIT theater ~Actors Perform Timeless Hits!~」の初日公演が行われ、大阪を拠点に活動している数多くのパファーマーや俳優、劇作家、演出家などがステージを盛り上げました。
今回の「OSAKA SKIT theater ~Actors Perform Timeless Hits!~」は、2025大阪・関西万博に向け、国内外からの観光客が数多く集まる道頓堀でノンバーバルショーを国内外の来阪者に気軽に楽しんでもらおうというもの。2月1日から4日に行われたダンサーによるパフォーマンスに続き、今回は俳優によるパフォーマンスとなります。
イベントの総合演出は古川剛充(ゲキゲキ)が担当。参加するのは全部で4チーム。そのうち3チームが日替わりで登場し、それぞれ30分の持ち時間で公演を行いました。
Aチームは、作・演出が小西透太(ゲキゲキ)、古川剛充(ゲキゲキ)。出演は、さいとうひろき(ゲキゲキ)、佐々⽊ヤス⼦(サファリ・P)、澤⽥紗菜(リリパットアーミーⅡ)、⽩川優弥、寺井⻯哉(STAR☆JACKS)、ナックラー源、前⽥茉⽻、横堀菜々美(スターダストプロモーション)といったメンバーたち。Bチームの作・演出は金哲義が担当。⾦⽥侑⼤、こがちゃん、さいとうひろき(ゲキゲキ)、澤⽥紗菜(リリパットアーミーⅡ)、全咲愛、ナックラー源、平川裕作(イースター企画)、宮下昌⼤が出演します。
Cチームは芸人が勢揃い。作・演出は久馬歩(ザ・プラン9)。浅越ゴエ(ザ・プラン9)、きょうくん(ザ・プラン9)、コヴァンサン(ザ・プラン9)、佐々⽊ヤス⼦(サファリ・P)、爆ノ介(ザ・プラン9)、堀川絵美、もりやすバンバンビガロ、ヤナギブソン(ザ・プラン9)といったテレビなどでもおなじみのキャストたちが登場。そしてDチームは、大西千保(RE:MAKE)が作・演出。荒⾦理⾹、Kyana.、⾦⽥侑⼤、全咲愛、寺井⻯哉(STAR☆JACKS)、狭間愛⽣、花野紗南、宮下昌⼤が出演します。
初日となった22日はA、B、Dの3チームが登場。まずはオープニング。雰囲気のあるBGMと英語ナレーションが今日のショーへと誘います。登場したのが2人の女性とそれを撮影する男性。その映像は舞台上に同時進行で映し出されていきます。3人が床を覗きこむとそこには「ここでは話してはいけない」のメッセージが。そこから映像と現実がシンクロ。映像に映った“支配人”が現実に登場し、静まり返ったステージに映し出されたサムネイルの中から1枚を選ぶと、さまざまなトラブルに見舞われる男のストーリー「不運な男」がスタート。そこからも各チームのブリッジに、この“支配人”が登場し、全体をひとつにまとめていました。
Aチームは「I Really Like You」からスタート。2人の女性の伝わらない気持ちのもどかしさ、心が通い合った瞬間の清々しい思いが、キャスター付きの椅子や黒子などを効果的に使って描かれました。「壺」では、師匠の作品を壊してしまった弟子たちのユニークなやりとりを、「殺し屋の姉妹」は次々と失敗を繰り返すドジな姉妹を面白おかしく見せてくれました。男同士のちっぽけなプライドのぶつかり合いが悲劇を呼ぶ「高さ比べ」から、恋人同士の純粋な愛が奇跡を見せる「境界線」まで、名曲をバックにすばらしいノンバーバルショーが展開されました。
続いてのBチームは「お好み焼きの親子とお好み焼き」から。うまくお好み焼きを焼けない子どもとその子どもに翻弄される具材たちの姿を軽快な音楽にのせて表現。「眠れる森の美女は美女か?」は、イラストを使ってユーモラスに時間の流れを見せると、「トイレに行きたい男」では、表情とポーズで空港の金属探知機を表すなど、ひと工夫した見せ方を次々に披露。「ある喜劇役者」で、華やかな舞台とは裏腹に寂しい毎日を過ごす喜劇役者が見つけた一瞬の安らぎをハートフルに描いたかと思うと、ラストの「息子はレーサー」では、見せ方の工夫に加え、コミカルな親子のやりとりで笑わせるなど、緩急のある舞台を楽しませてくれました。
Dチームの「恋のから騒ぎ」は、着飾った男女の華やかなシーンからスタートしますが、女性同士の醜い争いが起こるというお話。少年の挫折と奇跡の復活を描いた「野球少年」のあとは、楽しい女子校の授業風景を切り取ったミニストーリーが展開されました。続いての「学園天国〜彼女のハートを射止めるのは誰だ!?〜」は、憧れの女子に話しかけることができない男子たちの葛藤を見せてくれました。一転して夫婦間の復讐劇を描いたのが「最低な夫の罪と罰」。妻のユニークで怖い逆襲には会場から笑いも起こります。ロボットと少女の友情物語「アナタノトモダチ」、老夫婦の思い出をやさしく、切なく描いた「最愛の人」、そしてこれまでの登場人物たちのその後が明かされるラストの「HAPPY!」まで、全編を通じての音楽とストーリーのマッチングはすばらしいのひと言。流された曲たちは、 ノンバーバルのショーをセリフより雄弁に盛り上げてくれました。
22日(木)の初日以降は、初日とは違った組み合わせでショーを展開。23日に初登場となったのは、久馬率いるCチームです。「映画館(movie theatre)」は、映画を見にやってきた男女のやりとりを、そこに訪れる人たちを絡めて面白おかしく表現。映画館には御法度の巨大アフロヘアや、映画好きにはお馴染みの映画泥棒なども登場し、観客を笑わせます。ここからは、その「映画館」を舞台にさまざまなシーンが展開。続いての「変面(henmen)」では、ユニークなやりとりのなかでしっかりとハイレベルな「変面」を披露。会場からは歓声や拍手も起こります。歌と大道芸のクールなコラボで盛り上げたのは「ボディガード(The Bodyguard)」。オチがわかっていても笑ってしまう「残像(after image)」、ラストの「狂詩曲(rhapsody)」まで、全編を通じて最初の「映画館」で起こる出来事が、ユニークな演出で描かれていました。
各公演エンディングでは“支配人”、そしてキャスト全員がダンスを披露すると、全員で会場に感謝を伝えます。そして会場からの拍手に応えてカーテンコール。改めてキャストがステージに登場し、笑顔で挨拶、イベントは幕を下ろしました。