11月10日(日)、堺市・大仙公園(大芝生広場)で「大仙茶会2024~和の響きとともに過ごす秋のひととき~」が開催されました。
大仙公園は、世界最大の墳墓で知られる仁徳天皇陵古墳と履中天皇陵古墳の間に位置する風光明媚な公園です。広々とした公園内では、茶会や和楽器のコンサート、ワークショップなどが実施され、たくさんの人が秋の休日を楽しみました。
会場には武者小路千家大阪官休会堺支部のお点前による、お抹茶と堺の和菓子を楽しめる野点席が用意されました。時間になると受付にお抹茶と和菓子のチケットを求める長い行列ができるシーンも。広々とした芝生の上には、緋毛氈を敷き、和傘を立てた野点席が並びます。和の情緒を味わえるということで、海外からの観光客がお抹茶を楽しむ姿もちらほら。訪れた人たちは、自然の中でいただく美味しいお抹茶と和菓子を満喫していました。
11時になりステージから太鼓の音が鳴り響くと、和楽器演奏集団 独楽(こま)の演奏がスタート。1曲目の「ひかりの路」から太鼓に三味線、笛などを使った勇壮な音を聴かせます。曲が終わると、ステージにはMCのスマイルが登場。イベントの概要を説明したあとは、独楽のメンバーとのトークです。「聞き馴染みのある耳に心地いい音が和楽器の魅力」と話し、今回はオリジナル曲と民謡のアレンジを演奏すると伝えます。野外で演奏することについて聞かれると、「和楽器は雨に弱く、野外での演奏は稀」と話し、晴れた空を見ながら「今日はドキドキでした、日頃の行いが……」と笑わせました。再び演奏が始まり、「津軽じょんがら節 けやぐ」、「こきりこ節」、会場の空気を震わせた「大太鼓 独奏」、「戦(せん)」と続け、会場を盛り上げました。
続いては海外でも活躍する和楽器ユニット AUN J クラシック・オーケストラのステージです。まずはメンバーとのトーク。ユニットは結成16年目で、これまでアンコールワットなど海外20カ国以上での演奏経験があると話し、今回はオリジナル曲に加えて、アニメの名曲を演奏すると明かします。ここでスマイルの2人も和太鼓を叩かせてもらうことに。メンバーのリードに従って懸命に太鼓を叩く姿には、会場からも拍手が起こっていました。
AUN J クラシック・オーケストラの演奏はオリジナル曲の「絢爛バサラ」、「海の路」から。太鼓に笛、三味線、尺八、箏などが奏でる音が秋晴れの空に吸い込まれていきます。曲の間に晴れた空に感謝すると、続いての「さんぽ」(となりのトトロ)では、会場にフリをレクチャーし、一緒に盛り上がりました。そこから瀧廉太郎作曲の「花」、観客と一本締めと三本締めでコラボした「万殊の灯りに想いを馳せて」、ラストの「勝祭」まで、和楽器の魅力をしっかりと感じさせてくれました。
ここで、2025年大阪・関西万博の公式キャラクターのミャクミャクと大阪府広報担当副知事のもずやんがステージに。MCの瀬戸は、来年4月13日(日)から10月13日(日)までの184日間、大阪・夢洲で万博が開催されることを伝えるとともに、一緒に盛り上げていこうと呼びかけました。さらに、今回のイベントを始め、大阪の文化芸術の魅力を発信すべく取り組んでいる「大阪国際文化芸術プロジェクト」についても言及。OSK日本歌劇団のレビューや大阪落語祭など、他にも様々なイベントが行われているので、詳細についてチェックしてほしいと呼びかけました。
ここでステージは午後からの2回目の公演に向けて、いったん休憩となります。
ワークショップのエリアでは、若手芸人・清川雄司が切り絵教室を開催。ホワイトボードにイラストを描いて、わかりやすく紙の切り方を説明すると、参加者たちも真剣にハサミを動かします。清川は子どもたちに「ゆっくりで大丈夫」、「紙を動かすのがコツ」など声をかけつつ、紙切りをレクチャー。ウサギやカブトムシなどの作品を作りました。
抹茶香作り体験では、線香(お香)とお茶をコラボさせたオリジナルの抹茶香を製作。参加者はお香や線香を作る時に使われるタブ粉と抹茶を均等に混ぜてから水を加えて練ると、様々な型に詰め、花やハート、動物などの抹茶香を作っていきます。「人生と一緒、やり直しがききますよ!」というスタッフの声も聞こえるなど、和やかな雰囲気でワークショップは進行。完成したものは各自が持ち帰り、1週間ほど乾燥させたあと、お猪口などの器に灰と炭とお香を入れて、香りを楽しむことができると伝えられました。
「ペーパークラフト自動販売機」制作体験は、子どもたちに大人気。保護者と一緒に設計図を見ながら夢中になって自動販売機を作ります。参加者たちは完成した自動販売機を笑顔で持ち帰っていました。
「ミャクミャク×ハニワ部長 線香アートパネルづくり」では、堺工科高校の学生さんと一緒に、ミャクミャクとハニワ部長の大きなパネルを線香で完成させます。参加者たちは200枚に分割されたパネルを1枚ずつ作成。用意された赤や青、緑などの線香を、色の指示に従って貼り付けていき、完成したものをパネルに貼り付けていました。
大阪スポーツプロジェクトによる「なんでもターゲット」ブースは、サッカーやバスケット、ラグビーなどのボールを、穴の空いたゴールに入れるアトラクションです。子どもたちだけでなく、健康志向の大人もボールを投げたり、蹴ったり、一生懸命ゲームにチャレンジしていました。
午後からは二度目のステージがスタート。午前中と同じく、和楽器集団 独楽、AUN J クラシック・オーケストラの順でステージへ登場。1曲終わるごとに会場からは大きな拍手が起こります。詰めかけた人たちは、普段なかなか身近に聴くことのない和楽器の音色、響きを堪能。イベントは終了時間まで大いに賑わいました。