10月18日(土)、25日(土)の2日間、万博記念公園で「OSAKA MUSIC & CULTURE WEEKEND」が行われました。音楽ライブを始め、ワークショップやライブペインティングなど、多彩なプログラムを実施し、多くの来場者が思い思いにイベントを楽しみました。

現代美術の森では、大阪を拠点に活動する歴史あるジャズバンド、アロージャズオーケストラがプロデュースするジャズカルテットによる「現代美術の森の音楽会」を開催。18日は、サックス、ピアノ、ベース、ドラムという4人編成のアロージャズスペシャルが登場しました。まずはスタンダード・ナンバー「But Not For Me」を。緑に囲まれた会場に響くジャズは格別。各プレイヤーのソロが終わるたび、会場からは拍手が起こります。MCでは「会場が土の上で平らでないからみんな傾きながら演奏している」と笑わせると「イパネマの娘」に。3曲目は軽快なメロディの「There Is No Greater Love」。続いては打って変わってメロウなメロディが胸に染みる「Over the Rainbow」へ。雨がぱらつくあいにくの天候でしたが、オーディエンスはしっかりと上質なジャズを楽しみました。

25日はSteeling Windが登場。スティールパン、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットでの演奏です。開演時間になるとゆるやかなメロディが奏でられ始め、ライブがスタート。1曲目の「St. Thomas」から心地よい演奏に会場からは自然と拍手も起こります。2曲目はボサノバの名曲「イパネマの娘」。先週のジャズカルテットとはまた違ったアレンジで聴かせてくれます。MCでは「亀の甲羅みたいなところをスティックで叩き、リバーブの効いた生の音を出す楽器」とスティールパンの紹介も。そして「こんな季節にぴったり」と軽快なメロディの「風になりたい」から「秋桜」へ。続けて「スティールパンとして一番有名な曲」とディズニー映画「リトル・マーメイド」から「Under the Sea」を演奏。そしてこれからの季節の定番ということで「Autumn Leaves」、ラストは「On The Sunny Side Of The Street」で締めくくりました。

もみじ川芝生広場ではワークショップも開催。
レゴワークショップは、世界で30人しかいないといわれている「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」の「マスター・モデル・ビルダー」のまっこんさんが担当。参加している子どもたちにそれぞれのブロックの名前や、それをどこに使えばいいのかなどのヒントを与えつつ、ワークショップを進めていきます。「横ポッチブロック」の説明では、ジェスチャーや声などを使って、子どもたちを大いに笑わせるひと幕も。参加した子どもたちは「かぼちゃ」や「おばけ」などを作ると、まっこんさんと記念撮影を行ったり、レゴブロックのプレゼントを受け取っていました。まっこんさんは「大阪の子はレゴが好き、レゴ好きなお友達が多い」と笑顔。「かぼちゃやおばけ以外に、家やクルマなども作ってくれたり、おもしろいです」と大阪の子どもたちの印象を語りました。

切り絵ワークショップを行ったのは、人気芸人の清川雄司さん。ホワイトボードを手に、イラストで切り方をわかりやすく説明すると、参加者に切る順番や切り方のコツなどを丁寧にレクチャーしていきます。参加した人たちも清川さんの言葉に耳を傾けつつ、切り絵に集中。ハサミと紙を手に持ち、器用に、中には悪戦苦闘する人もいながら「おばけ」や「うさぎ」、「カブトムシ」のほか、人気キャラクターなどにも挑戦します。清川さんも難しいところは、実際にハサミを持ってヘルプするなど和やかな雰囲気。参加した人は切り絵を完成させると「かわいい!」、「うまくできた!」とニッコリ。中には完成した切り絵といっしょに清川さんと記念撮影する人も。清川さんは「お子さんから年配の方までたくさんの方が楽しんでくださってます」とワークショップについて話すと、切り絵のおもしろさを「書くのと違って消したりできないところ。ミスしたら切れちゃう、そういう緊張感やスリル、一発勝負のところが醍醐味ですね」とコメント。そして「僕よりうまい切り絵をして、僕をびっくりさせてください」と呼びかけました。

もみじ川芝生広場に向かう茶摘みの里の沿道で行われたのが、大阪で活躍する現代美術アーティストによるライブペインティング。18日にはLANPさんが、25日にはBAKIBAKIさんが作品を製作しました。
普段は大阪で活動し、ポップな作品を描くことが多いというLANPさん。今回の作品のタイトルは「大阪の音楽と文化を満喫する週末&自然と音楽の調和」。作品製作中に、前を通りかかった人を描いたとのこと。ライブペインティングの魅力はプレッシャーと緊張感、新しいものが生まれるところ、と話してくれました。

25日に登場したBAKIBAKIさんはマスキングテープや養生テープとスプレーを使った作品を製作。BAKIBAKIさんも普段は大阪を中心に活動しているとのことで、顔見知りが偶然通りかかるなど、リラックスした雰囲気で製作を進めました。ライブペインティングは完成した絵ではなく、出来上がる過程を見られるのが魅力とのこと。今回の作品の自己採点を聞いてみると、いつもどおり100点しかやらないんで、と笑顔でコメントしてくれました。

もみじ川芝生広場では、人気アーティストが多数登場する音楽イベントが開催されました。
18日に行われたのはピクニックスタイルのミュージックフェス「Chillin’ Vibes 2025」。
恒例のウェルカムアクトは大阪出身のFluffyさんが担当。ギターを抱えてマイクの前に立ち、会場に「大阪出身のシンガーソングライター、Fluffyです、よろしくお願いします!」と挨拶すると、「かさぶた」からパフォーマンスがスタートします。MCでは「今ここに立てていることをうれしく思います」と笑顔で伝え、「このイベント、最高のスタートを切れるよう全力で歌います」と「It’s Me」へ。そしてラストの新曲「Step!!」まで、歯切れのいいギターのカッティングと伸びのある歌声で、会場を魅了しました。
そこから川崎鷹也さん、家入レオさん、ビッケブランカさん、高橋優さんといったメンバーが次々に登場。それぞれが個性的な歌声を響かせ、会場を沸かせます。この日のトリを務めたのはスガ シカオさん。ストリングスをバックに「これから むかえにいくよ」で会場をグルーブさせると、一転2曲目の「黄金の月」では静かなバラードを力強く歌い上げます。会場は涼しい風が抜け、夕暮れが近づく時間。夕日が差し込むステージからは、透明感のある声とストリングスの音が空に放たれ、まさにチルなときが過ぎていきます。「ストーリー」や「Progress」などのヒットチューンもプレイされると、母親に捧げたというナンバー「ヤグルトさんの唄」で締めくくります。そして、会場からのアンコールの声に応えると「夜空ノムコウ」を聴かせました。


25日には「OTODAMA EXPO~千里丘編~」を開催。人気アーティストたちがセルシーSTAGEとHALLO’S STAGEに分かれ、交互にライブを行っていきます。まずHALLO’S STAGEに登場したのは、ウェルカムアクトのNagakumo。大阪発の男女4人組ネオアコバンドです。ボーカル・サヤさんの「Nagakumoです、よろしくお願いします」のあと、1曲目はミディアムなテンポが心地いい「スウィート・スペース」、そして2曲目は少しアップ目の「6月は愛について」へ。オーディエンスもバンドが奏でるメロディに身を委ねていきます。跳ねるビートが気持ちいい「日曜前夜」まで3曲通して続け、「大好きなこの場所で歌うことができてうれしいです」と話すと、会場からは拍手が。そこからも「思いがけず雨」、「Awayokuba」、「Bedtime Bear」まで全6曲、フレッシュな音を楽しませてくれました。
そこからセルシーSTAGEは、柴田聡子さん、iriさん、KIRINJIさん、大貫妙子さん、HALLO’S STAGEは、YOGEE NEW WAVES、長岡亮介さん、岸田繁さん(くるり)、真心ブラザーズという幅広い世代を魅了する実力派ミュージシャンが次々に登場。雨も降り出した会場を盛り上げていきます。この日のトリを務めたのはUAさん。会場のある吹田市出身で、日本を代表する歌姫の1人です。ギターのカッティングが響き始めると、UAさんの「行くぞ!」の声で、「太陽手に月は心の両手に」からライブがスタート。次々とパワーあふれる曲を会場に放っていきます。MCでは、今年がデビュー30周年であることを明かし、会場や「大阪のみんな」に感謝を伝えると、止まない雨の中でライブに参戦しているオーディエンスに「Happy」、「ALK」などの新曲を届けていきます。「甘い運命」のあとは「どうかUAの熱で風邪引かないでね」とメッセージを送り、一旦舞台を降りますが、アンコールの声に「もう1曲だけやろうかな?」と再登場。ラストは「ミルクティー」で締めくくりました。

