レポート

ノンバーバルの様々な可能性をステージで表現! 「OSAKA SKIT theater ~日本人がジョークを理解しないなんて誰が言った?~」開催

開催日程:

2024年9月4日(水)~9月7日(土)[全5公演]
2024年9月18日(水)~9月22日(日・祝)[全6公演]

会場:

HEP HALL

大阪・関西万博の開催時に、多くの来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことを目的に、令和5年度に始まったのが、大阪国際文化芸術プロジェクトです。9月4日(水)からは「OSAKA SKIT theater ~日本人がジョークを理解しないなんて誰が言った?~」がスタート。このイベントは、ダンス、演劇、大道芸などのショート公演を組み合わせた、国内外の来阪者が気軽に楽しめるエンターテインメントショー。会場となったHEP HALLは、大いに盛り上がりました。

日本のシティ・ポップやクラシック音楽など、誰もが知っている楽曲を使って、それぞれの楽曲に合わせながら、ノンバーバルでチームごとに上演を行うもの。総合演出を後藤ひろひとが務め、9月4日(水)〜7日(土)、9月18日(水)〜22日(日・祝)の日程で、AからGまでの7チームが1公演に3チームずつ出演し、パフォーマンスを繰り広げました。

開場直後のロビーでは、CLONE’s(ijin、KAMIYAMA、SEOPPI、Mr.BunBun(9/4(水)〜7(土))、ふくろこうじ(9/18(水)〜22(日・祝))によるスペシャルアクトが行われました。VRゴーグルをつけたメンバーがチケット引き換えのデスクを担当したほか、ロビーで全員が食事をするパントマイムも披露。記念撮影する人もいるなど、来場者の視線を釘付けにしていました。

開演10分前、目覚まし時計の音が響くと、CLONE’sのメンバーが会場内に登場。スマートフォンを片手に客席の間を練り歩きます。そして1人、また1人と舞台上へ。4人全員が揃ったところで、名刺交換がスタート。そして再び客席に降りると、今度は観客に名刺を配り始めます。そこからも新聞紙を使ったパフォーマンスなどを行ったメンバーたち。言葉はまったくないものの、そのユニークな動きとストーリーに、会場からは笑いが起こっていました。さらにCLONE’sは幕間や公演終わりにも登場。ロープやバルーン、コップ、段ボールなどを使った、思わずニヤリとしてしまうパフォーマンスで会場を惹きつけていました。

Aチームは、後藤ひろひとが作・演出を担当し、内場勝則、石丸謙二郎、バケツドラマーshiutaとともに出演。キーマンは後藤演じる白いスーツの男。アタッシュケースから取り出した様々なものを男たちに与えていきます。酔いどれ男とスマートな紳士へは、それぞれに帽子を。2人は帽子の奪い合いを始めますが、無声映画を思わせるそのコミカルでテンポのいい動きに、会場からは自然と笑いが起こります。続いて登場したのは、カラフルなバケツを持った作業員。白いスーツの男からドラムスティックを受け取ると、それを使い、バケツでドラミング。素晴らしいスティック捌きで会場を盛り上げました。そこからもピアノやホーンなどの演奏をBGMに、ユーモアたっぷりのステージが展開。会場から歓声と拍手が起こるラストシーンまで、しっかりと堪能させてくれました。

Bチームは、作・演出を腹筋善之介が担当したノンバーバルのお芝居です。腹筋は、中村容子、吉田憲章とともに出演者としても活躍しました。「宇宙」や「地球」、「人間」などのテーマを、全身を使って表現していきます。全力でパフォーマンスする姿はパワフルのひと言。状況を表すために擬音を使ったり、照明や音を効果的に入れるなど、個性的なパフォーマンスに観客も思わず引き込まれます。時折出てくるユニークな表現の部分では、笑いが起こるシーンも。生き物や物質など、それぞれが変幻自在にさまざまなものに姿を変え、時空をも超えて表現された壮大なステージは圧巻でした。

Cチームは作・演出をザ・プラン9の久馬歩が担当。お〜い!久馬、きょうくん、コヴァンサン、爆ノ介といったザ・プラン9のメンバーに加え、佐々木ヤス子(サファリ・P)、ビコーン!、水田詩織(NMB48)が出演しました。まずは空港の保安検査場から舞台がスタート。ビコーン!の2人がカバンを使った芸を披露すると、そこから世界の国々をテーマにしたパフォーマンスが続いていきます。中国は変面、イタリアは真実の口、エジプトはピラミッド、そしてラストの宇宙まで、見ている観客には旅行気分を味あわせながら、それぞれに笑いたっぷりの舞台を見せてくれました。

Dチームは、作・演出を小西透太(ゲキゲキ)×古川剛充(ゲキゲキ)×金哲義の3人が担当。出演は、石原正一、さいとうひろき(ゲキゲキ)、佐々木ヤス子(サファリ・P)、樋口みどりこ、平川裕作(イースター企画)、古川剛充(ゲキゲキ)といった面々です。フリップに書かれたお題をメンバーが表現。そこから連想される動き、ユニークな表情に加え、効果音も合わせて会場を盛り上げていきます。子どもが大喜びするお題やストーリーとして見せてくれるお題など、ラストまで誰もが楽しめるパフォーマンスを披露してくれました。

オパンポン創造社の野村有志が作・演出を務めたEチームは、あっぱれ北村(シイナナ)、高橋映美子、 西原希蓉美、野村有志(オパンポン創造社)、浜間空洞(小骨座)、松木賢三(テノヒラサイズ)といったメンバーが出演。「不思議の国のアリス」をモチーフにした作品を披露しました。祭囃子が響くなか、持っていた風船を手放してしまう1人の男。その風船を掴んだ少女を追いかけるうち、知らない世界へと飛び込んでしまいます。華やかな音楽や踊りとは裏腹に、異世界から抜け出せないことにもがく男。照明を使った演出や、物語の雰囲気をあっという間に変えてしまう雨や花火、水の音などの効果的なBGM、それらが幻想的で不思議な世界を舞台上に作り出します。水中にもなるステージに観客は集中。異世界でとまどう男の姿を見守りました。

Fチームは、作・演出を大西千保(RE:MAKE)が担当。金田侑大、宮野果菜、protrude(AiNa.Akitaka.Chii.MUKABI.村上穂花.RAY)が出演しました。天使と悪魔がベートーヴェンの『運命』をバックに、「シンボル」を手に入れようと激しいダンスでぶつかり合いますが、そこに登場したのがポケモンGOマニアの少年と少女。天使と悪魔、ポケモンGOマニアという、意外すぎる組み合わせには観客からも笑いが起こります。天使と悪魔は奪われた「シンボル」を取り返そうとしますが、なかなかうまくいきません。クラシックから洋楽邦楽のポップス、ラップ、木魚まで、バラエティに富んだ音楽をバックに、悪魔と天使を始め、僧侶やOL、イケメン、アニメのキャラクターといったユニークすぎる顔ぶれが次々とステージに登場。シーンも目まぐるしく変わっていきますが、わかりやすいストーリーとスピーディな展開、そして全編を通じての躍動感あるダンスが、観客をしっかりと引き込んでいました。

Gチームは、作・演出をもりやすバンバンビガロが担当。木下弱、Mr.オクチとともにステージを盛り上げました。まずは、Mr.オクチが観客を巻き込み、変装させるなど爆笑のパフォーマンスを披露します。実はこの観客がスペシャルゲストとして重要な役どころを担当することに。ストーリーは、「〜WPA 世界パフォーマンスタイトルマッチ〜」で、もりやすバンバンビガロとパフォーマンス対決に敗れた木下弱が、そこからトレーニングを積み、リベンジを目指すというもの。入場曲を背に、冒頭からしっかりと会場を盛り上げる2人。観客の協力を仰ぎつつ、さまざまな芸を披露する姿に、会場からは笑いと拍手が起こります。映画の主題歌や邦楽のヒット曲などBGMでも盛り上げつつ、ラストは会場全体を笑いが包むハッピーエンドとなりました。

毎回、公演ラストには、その回の出演者全員がステージへ。挨拶を行うと、会場は大きな拍手に包まれていました。

  • イベント名
    OSAKA SKIT theater ~日本人がジョークを理解しないなんて誰が言った?~
  • 開催日

    2024年9月4日(水)~9月7日(土)[全5公演]
    2024年9月18日(水)~9月22日(日・祝)[全6公演]

  • 会場

    HEP HALL

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