1月7日(水)から1月25日(日)の間、大阪国際文化芸術プロジェクト「壽 初春歌舞伎特別公演」を大阪松竹座にて開催しました。
中村鴈治郎さん、片岡孝太郎さん、片岡愛之助さん、中村壱太郎さんなど上方歌舞伎を代表する歌舞伎俳優に加えて、市川中車さん、中村種之助さん、中村歌之助さんなどを加え、重厚な時代物から世話物狂言、華やかな舞踊まで、多彩な演目が揃った特別な公演をお届けしました。
昼の部は、梅王丸(歌之助さん)と桜丸(上村吉太朗さん)が藤原時平(市川猿弥さん)の舎人である松王丸(種之助さん)と激しく争う場面が見どころの名作『菅原伝授手習鑑 車引』で幕を開けました。勇壮な荒事の演技で魅せる梅王丸に、和事味あふれる柔らかな桜丸と、登場人物の特徴も分かりやすく、松王丸の横見得をはじめ様々な見得でも楽しませました。

続いて、天下を狙う松永大膳(鴈治郎さん)から将軍の母・慶寿院(孝太郎さん)と雪姫(壱太郎さん)を、此下東吉(愛之助さん)が知略と武勇で救い出す『祇園祭礼信仰記 金閣寺』を上演。金閣寺に立てこもる松永大膳というスケールの大きな悪役を鴈治郎さんが好演。また、桜の木に縛り付けられた雪姫が桜の花びらを集めてネズミを描く「爪先鼠」や、東吉のモデルである秀吉の愛称「猿」にちなんで東吉が桜の木を伝って金閣寺の階上へと上がる場面など、様々な見どころで沸かせました。


昼の部最後は、上方落語の傑作をもとにした『らくだ』です。紙屑屋久六を中車さん、やたけたの熊五郎を愛之助さん、らくだの宇之助を中村亀鶴さん、そして家主の幸兵衛を鴈治郎さん、その女房おさいを猿弥さんが勤めました。家主の前でらくだの死骸に「カンカンノウ」を躍らせる場面や、気の弱い久六が酔いに任せて強気になり、熊五郎と立場が逆転する場面など、笑いどころも多く、にぎやかに展開しました。

夜の部は、歌舞伎十八番の『鳴神』をもとに、男女の役を入れ替えて上演する『女鳴神』で始まりました。鴈治郎さんが勤める雲野絶間之助の登場により、禁欲生活を破る鳴神尼を孝太郎さんが好演。絶間之助が実は鳴神尼の行法を破るためにやってきたことを知り、怒りを募らせる場面では、全身に力をみなぎらせて怒りを表します。物語の前半と後半で180度異なる姿で魅了しました。

続いては赤穂事件を題材にした『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」を上演。大星由良之助を愛之助さん、遊女おかるを壱太郎さん、寺岡平右衛門を種之助さん、大星力弥を歌之助さん、鷺坂伴内を猿弥さん、そして斧九太夫を中車さんが勤め、腹の探り合いや駆け引きを繰り広げます。『仮名手本忠臣蔵』の中でも人気の名場面をお届けしました。

最後は、女方舞踊の大曲『京鹿子娘道成寺』です。映画『国宝』でも描かれ、注目を集めた『二人道成寺』の元になる演目で、白拍子花子を壱太郎さんが勤めました。能を模した厳かな舞や、歌舞伎調のくだけた手踊り、足さばきも見事なリズミカルな毬唄など、様々な踊りを披露した壱太郎さん。実は清姫の亡魂である花子。その亡魂を押し戻す大館左馬五郎照剛を鴈治郎さんが勤め、最後は親子共演で沸かせました。

