11月12日(土)、「総持寺で能勢人形浄瑠璃「鹿角座」を楽しむ会」が行われました。
茨木市にある総持寺は、日本遺産「1300年つづく日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~」の一つ、西国第22番札所として知られる名刹。ここで、能勢人形浄瑠璃「鹿角座」が本格的な浄瑠璃公演を開催します。イベントは浄瑠璃の上演、解説のほか、人形遣い体験も行われるなど、浄瑠璃の魅力がたっぷりと詰まった内容。
まずはMCから、総持寺の歴史、能勢人形浄瑠璃「鹿角座」についても伝えられたあと、今回上演される「傾城阿波の鳴門〜巡礼歌の段」の説明が行われました。「ととさんの名は十郎兵衛、かかさんの名はお弓と申します」という台詞で有名な人形浄瑠璃の名作であることなどが話されると、いよいよ浄瑠璃がスタートします。
三味線の音が会場に響き、人形が舞台に姿を見せると、会場は物語の世界へ。舞台では、母親であるお弓、そして娘のお鶴が織りなす切ない物語が進んでいきます。黒子の操る人形のなめらかな動きは見事のひと言。生命が吹き込まれたようなその姿で、観客を物語のなかに引き込んでいきます。母娘の悲しい運命を会場中が固唾をのんで見守っていました。
公演のあとは、実際の人形を使って動かし方などの説明も行われました。人形は主遣い、左遣い、足遣いの3人で動かしていること、それぞれの役割、そして介錯という役もいることや黒子の装束などについても説明。人形が手ぬぐいで汗をぬぐう仕草を見せると、そのユーモラスな動きに笑いも起こります。
続いて会場から希望者を募って、人形遣い体験がスタート。それぞれが役割を決め、サポートを受けながら人形を動かしていきます。手を叩く仕草に音を合わせるなど、いくつかの動きを行ったあと、最後はキメのポーズも。体験した人たちは「思ったより重かった」、「指使いが難しかった」、「体勢が大変だった」など、人形を動かすことが想像以上に重労働なことに驚いた様子。最後に、体験した方々には「鹿角座」のスタッフからプレゼントも手渡されました。