2月25日（土）、住友生命いずみホールで、「大阪文化芸術創出事業 名曲コンサートin大阪〜記憶に残る歌を届けます」を開催。実力派シンガーとクラシックアンサンブルによる共演で、会場に詰めかけた子どもたちに世代を超えて愛される名曲が奏でられました。
コロナ禍により、コンサートホールで音楽を楽しむ機会が奪われていましたが、それは感受性豊かな子どもたちにとって、とても残念なこと。ライブで音楽を楽しむ体験をすることが、文化芸術に触れるきっかけとなり、将来に渡る人間性の育成にも繋がるものという思いから、今回のイベントは開催されました。観客は小学4年生から中学3年生までの児童・生徒とその保護者です。
開演時間になると、ナビゲーターを務める八木早希がステージへ、会場に向けて「一体感を持って楽しんでいただけたら」と呼びかけました。そして、コンサートがスタート。今回の演奏を全て務めるのは日本センチュリー交響楽団です。
まずは大阪、関西を中心に活躍する声楽家によるアンサンブルユニット、ヴォーカルアンサンブルOSAKAのステージから。『故郷』『春の小川』『帰れソレントへ』など、名曲をメドレーで聴かせてくれました。
続いては圧倒的歌唱力とクリアな歌声を聴かせてくれるMay J.の登場です。大ヒット曲『Let It Go』からステージがスタート。歌い終えると、「子どもから大人まで、幅広い年代の皆さんがどこかで聞いたことのある曲を選んだので最後まで楽しんでください」とメッセージを送ります。そして、映画「STAND BY ME ドラえもん」から秦基博の『ひまわりの約束』、映画「タイタニック」からセリーヌ・ディオンの『My Heart Will Go On』、そして、自身がミュージカル版の主演を務めた「ボディガード」からホイットニー・ヒューストンの『I Will Always Love You』を歌い上げました。
歌のあとMay J.が喜びを噛み締めながら歌ったことを話すと、会場からは大きな拍手が。そして「改めて、皆さんと同じ空間を楽しめて、とてもとても幸せです」と笑顔。代表曲である『Let It Go』については、歌手になりたいと思ったきっかけがディズニー映画だったと明かし、「夢を叶えてくれた、人生を変えてくれたとても大切な曲」と話しました。そして今回のイベントについて、「親子で楽しめるコンサートはなかなかないので、最後まで楽しんでください」と会場へ呼びかけました。
続いてはTHE BOOMのボーカリストとして1989年にデビューして以来、国内外で活躍する宮沢和史です。昨今の未来が不安になる状況に触れつつ、それでも笑顔で楽しい人生を、と1曲目の『風になりたい』へ。「天国じゃなくても楽園じゃなくても、あなたの手のぬくもりを感じて風になりたい」と歌うこの曲、会場からの手拍子のレスポンスに、宮沢もステップを踏んで応えます。二曲目は沖縄の曲と話すと、琉球音階についても説明して『芭蕉布』を披露。そして三線を手にすると、三線が琉球黒檀の木でできていること、沖縄県の読谷村でその琉球黒檀の植樹を行っていることを話し、「三線にできるようになるまでどれくらい時間がかかるでしょう？」と会場に質問。その答えを最低100年と明かすと、会場からは驚きの声も。ラストは、自身も三線を弾きながら『島唄』を聴かせてくれました。
宮沢は、音楽は空気を震わせて伝えるもの、同じ空間でできる喜びがあると話し、「音を出しているときは素直になれる、本当の自分になれる」と音楽の魅力について会場の子どもたちに伝えました。
ラストは元宝塚歌劇団星組トップスターで、現在は女優としても活躍中の紅ゆずる。1曲目は自身がトップスターに就任したときの初めての演目、ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」より『ひとかけらの勇気』です。続いては平井堅の『POP STAR』、Kiroroの『未来へ』、JUJUの『やさしさで溢れるように』、MISIAの『アイノカタチ』をメドレーで。そして、何事も当たり前こそが本当の幸せだと気づかせてくれる歌と話してから、竹内まりやの『いのちの歌』を披露しました。
歌のあと、大阪出身なので地元で歌うのはとても光栄なことと話すと、「この辺は庭ですから、帰りはウォーキングで帰るかも」と笑わせます。そして宝塚音楽学校へ行きたいという会場の子どもたちへ、「自分がやってみたいことに出会えることは幸せ、落ちても受かっても、そのことに情熱を持ってやったことは自分の人生の糧になる」とエールを送りました。
エンディングでは出演者全員がステージへ集合。『星に願いを』を歌い、コンサートは幕を下ろしました。
