1月27日(金)からスタートした「第三回 大阪落語祭」。300年という長い歴史を誇る伝統芸能のひとつとして、多くの人から愛されている上方落語。なんばグランド花月での初日公演を皮切りに、2月14日(火)までの期間中、大阪府内の様々な会場で落語を楽しむことができます。2月5日(日)には、大阪府富田林市・すばるホール小ホールで「立春大吉寄席in富田林」が行われました。
この「立春大吉寄席」は、心斎橋PARCO SPACE14で1月28日(土)から2月5日(日)までの9日間連続で行われていたほか、富田林市、池田市、高石市、八尾市の各会場で行われる公演。1,000円というお手頃な料金で落語を楽しめるとあって、どの会場にも多くの観客が詰めかける人気となっています。
会場となったすばるホールには、開演前からたくさんの人が列を作りました。席を埋めた約200人の観客が待ちわびるなか、最初に高座へ現れたのは、桂文枝一門の桂雪鹿。拍手に迎えられた雪鹿は「たくさんのお客様うれしいですね、料金が1,000円ですからね」と笑わせます。小噺で会場を温めると、自身が小学校の教師だったことを明かし「桃太郎」へ。元教師だけに大人と子どものやりとりはお手の物。トップとしてしっかり会場を盛り上げました。
続いては桂二葉。「令和3年度NHK新人落語大賞」で女性初の大賞を受賞するなど、人気急上昇中の噺家です。来場時のエピソードやとっておきの裏話なども明かして、笑いを起こします。ネタの「天狗刺し」では、テンポのよいしゃべりで、登場人物たちを活き活きと表現。噺の世界にどんどんと引き込み、大いに笑わせました。
桂雀太は、出てくるなり「大阪落語祭、盛り上がってますか!」と呼びかけ、拍手を浴びます。主催している公演についてアピールしたあと、自身の身の上についておもしろおかしくトーク。しっかり会場を笑わせてから「代書」へ。代書屋とそこを訪ねてきた男のコントラスト、オンとオフを見事に演じ分け、ユニークな動きや語りも合わせて爆笑をさらっていました。
そしてトリは露の新治。客席に深々と礼をすると、会場から大きな拍手が起こります。時事ネタも盛り込んだ、畳み掛けるような枕に、会場からの笑いと拍手が止まりません。ネタの「井戸の茶碗」に入っても、笑いが絶えないのは変わらず。行ったり来たりを繰り返すネタのおもしろさに加え、緩急自在の話術で登場人物たちを見事に描写。観客の心をググッと掴み、最後の最後まで会場が爆笑に包まれていました。
「第三回 大阪落語祭」は2月14日(火)の最終日まで、まだまだ公演が続きます。お近くの会場へ訪れるもよし、お気に入りの噺家の一席を目当てに足を運ぶもよし、この機会にぜひ上方落語に触れ、楽しんでください!