12月16日(金)~19日(日)、ABCホールで演劇公演「STATION TO STATION~あなたの駅のものがたり〜」が開催されました。大阪を拠点に活躍する劇作家・演出家・俳優による「駅」にまつわる7つのストーリーがオムニバス形式により、4日間計5公演、上演されました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場時の検温や手指の消毒、マスクの着用、「大阪コロナ追跡システム」登録のお願いなどの対策がとられました。
オープニングは、総合演出を務める後藤ひろひとさん作・演出の「駅から駅へ」。早川丈二さんと福本愛菜さん演じる男女が真っ暗闇な地下の「駅」で出会います。この作品が他のストーリーをつなぐ役割を担うこととなり、何度も登場しました。
1作目は西田悠哉さん作・演出の「鉄人」。荷車ケンシロウさん、木村圭佑さん、むらたちあきさん、盛岡拓磨さん演じる男女4人が阪急箕面線箕面駅付近を舞台に、「撮り鉄」をめぐるゴタゴタ劇を演じました。
2作目は小西透太さん作、古川剛充さん演出の「いるみねいと」。京阪寝屋川市駅で活動するストリートミュージシャンをめぐる人間模様を古川さんに加え、植木歩生子さん、藤原裕史さん、カン・ソンヒョさん、西村こころさんの5人が好演しました。
3作目は野村有志さん作・演出の「サブサブサブ」。JR環状線芦原橋駅のホームを舞台に、偶然居合わせた男性3人が『あること』をめぐって口論になる様子を、松木賢三さん、中川浩六さん、そして野村さんが白熱した演技で披露しました。
ここで「駅から駅へ」の2回目を上演。新たに森崎正弘さん演じる作業員が加わり、ストーリーは進んでいきます。
4作目は金哲義さん作・演出の「17の血族」。大阪のとある17歳の男子生徒の体にある日突然、異変が。近鉄上本町駅前の公衆電話から、母親にかけた一本の電話で、感情を爆発させる息子と軽めに受け止める母親を、小山栄華さんと石井テル子さんが熱演しました。
5作目はわかぎゑふさん作、チャーハン・ラモーンさん演出の「stay」。木内義一さんと堀川絵美さんが大阪メトロ梅田駅の地下街で偶然出会った元夫婦を好演しました。
再び「駅から駅へ」。新たに上田泰三さん演じるガウンの男が登場し、ストーリーは佳境に入ります。
6作目は福田転球さん作・演出の「おっさんとMusical」。JR難波駅構内でミュージカルの練習をしている若者4人に、おっさんが絡んでいく様子を、高木稟さん、原息吹さん、根間彩葉さん、長山知史さん、吉田将さんがコミカルに演じました。
最後の7作目は竹田モモコさん作、久馬歩演出の「ちちのあな」。JR新大阪駅の改札内のカフェで、彼氏を紹介するために久しぶりに会った父親にある異変が。東千紗都さん、飯嶋松之助さん、上杉逸平さんがその異変への受け止め方の違い等を好演しました。
フィナーレは「駅から駅へ」。真っ暗闇な地下の駅とは…。総合演出の後藤さんも登場して種明かし。それぞれの物語に出演した人物が全員登場し、盛況のうちに終演しました。