秋晴れの万博記念公園に計4万人が来場 大阪文化芸術フェスpresents「OSAKA GENKi PARK」開催、コロナ対策を徹底

2020年10月10日(土)・11日(日)

万博記念公園

上方伝統芸能を始め音楽やアートなど様々なプログラムが行われる大阪文化芸術フェスのプログラム「OSAKA GENKi PARK」が10月10日(土)と11日(日)、大阪府吹田市の万博記念公園で開催されました。入場者全員のウェブ問診票提出、検温・消毒など、徹底した新型コロナウイルス感染予防対策のなか、各日約2万人、計約4万人が来場し、秋の万博記念公園に久々のにぎわいが戻りました。

台風14号の影響で、一時は開催が危ぶまれましたが、10日午前に雨は上がり、1970年大阪万博50周年記念セレモニーを開催。11日は好天に恵まれ、来場者は2日にわたり、広大な園内の各所で開催された豪華アーティストの音楽ライブやツアーイベント、大道芸などを楽しみました。

1970年大阪万博のレガシーを感じられると好評だったのが、地元・吹田市出身の麒麟・田村さんが同行する「EXPO’70トリップツアー」。2つのコースのうちパビリオン探検コースにはFM802のDJ・土井コマキさん、大阪万博グッズコレクターとして知られる白井達郎さんも加わりました。この2日間だけ特別に入れる太陽の塔の前の芝生広場からスタートし、太陽の塔の内部見学、EXPO’70パビリオンをめぐりました。

EXPO’70パビリオンでは、スペースシアターの扉が50年ぶりに開けられ、普段はガラス越しにしか見られない内部を入口から直接見られるとあって、扉が開けられた瞬間、参加者から歓声が上がりました。さらに初公開の大阪万博会場全景の巨大ペーパークラフトの緻密さにも驚きの声が上がりました。白井さんの詳しすぎる説明に加え、ところどころで飛び出す田村さんのボケに参加者は楽しい時間を過ごしました。

もう一つの「日本庭園探検コース」も太陽の塔の内部からスタートし、1970年当時から残っている平和のバラ園を経て、日本庭園をめぐりました。ガイドボランティアの方から庭園の説明を受けながら庭園を散策。その中でも「松の洲浜」の美しさに参加者は感嘆。口々に「素敵!」「こんなのがあること知らなかった!」と声を上げ、田村さんも「これは値打ちがあるわ、すごいのが見られたなぁ」とご満悦でした。最後に「季節ごとに楽しめるので、1年に4回来てください!」とPRしていました。

さらに日本庭園では、「日本庭園大茶会」が1日2回、計4回開催されました。美しく手入れされた庭園の緑をバックに講師の英国生活文化・紅茶研究家、田宮緑子さんがニューノーマル時代のお茶の楽しみ方を伝授しました。参加者は抹茶入り緑茶をおいしく飲めるという方法で水出しを体験。ちょうどお茶が飲み頃になったころ、日本センチュリー交響楽団による弦楽四重奏ミニコンサートがスタート。チェロ、ビオラ、バイオリンの音色でゆったりとした時が流れる空間で、参加者はおいしいお茶を楽しんでいました。

また、EXPO’70パビリオンでは10日、OSAKA GENKi PARKのロゴデザインを担当した大阪を代表するアーティスト、黒田征太郎さんが、中川敬さん(ソウル・フラワー・ユニオン)とリクオさんの演奏とコラボし、1時間のライブペインティングを行いました。黒田さんが演奏に合わせて4つのボードに絵を描いていくと、観客から手拍子も起こり、会場は一体感で包まれました。81歳の黒田さんもステップを踏み、手拍子に応えるように身体をゆらし、エネルギッシュに筆を走らせました。クライマックスを迎えた頃には、最初に書き込まれた「◯」「✕」「△」の形からは想像できない見事なアートが完成しました。

このほか、園内3カ所では、山代エンナさん、chiaki koharaさん、大阪を拠点に活動する2人組アーティストユニット「WHOLE9」がそれぞれ、2日間かけて作品を仕上げるライブペインティングを実施。山代さんは「太陽の塔の下で描けることがうれしい」と話し、見れば見るほど発見のある、子供たちも喜ぶようなものにしたいと、かわいい女性をメインにした作品を制作しました。完成した作品については「100点満点、大満足!」と自己採点。「いろんな思いがありすぎて、それが作品にも現れていると思います」と笑顔を見せました。

chiaki koharaさんは猫やキツネなど、キュートな動物たちをポップなカラーで表現。スタッフとディスカッションしながらイメージを膨らませている様子で、突然ひらめいたように「ペンギンを描こう!」と刷毛をボードに走らせました。11日夕方に完成した作品について、「いろんな生き物をインスピレーションで描きました。あと、全体的にはパズルのような配置にしています。このコロナ禍なので空間を作ってます」と話していました。

「WHOLE9」は1970年当時より宇宙が身近になってきていることから、「宇宙へ行く」というイメージで描いたと言います。完成した作品はセンターに大きく宇宙飛行士が描かれ、その手の平には記号のような絵が。青をベースにした広がりのある背景と相まって、独特の世界観を感じさせる作品になりました。

最も盛り上がったのが音楽ライブ。園内5カ所のステージでは2日間でコブクロやウルフルズ、清水翔太、瑛人ら計46組の豪華アーティストが久々の野外ライブを行いました。ステージ近くは細かく柵で区切り、それぞれ人数を制限して「密」にならないようにしたほか、後ろは入場者に配られる特製レジャーシートを敷いてもらうことで観客同士の距離を確保。観客はマスクを着用し、大きな声を出さずに拍手やジェスチャーでアーティストのパフォーマンスに応えました。それでも、控え目ながらも歓声が起きると、「ちょっと声出ちゃったね。拍手に変えていこう!」と呼びかけるアーティストもいました。

また、園内各所では2日間にわたり、大阪・関西にゆかりのある11組の大道芸人がマジックやパントマイム、アクロバットなど、自慢のパフォーマンスを披露しました。ピン芸人・もりやすバンバンビガロは小道具を使い、観客を巻き込んでのパフォーマンスで魅了。バタハリの巨大なカラーコーンを使った芸に子供たちも大喜びでした。

園内ではフードスポットも充実。大阪の名店の屋台なども並び、あちこちで行列ができました。吉本興業所属の若手芸人がつくるたこ焼き店「吉たこ」も出店。ランチタイムにはひっきりなしにお客が訪れていました。

園内には『EXPO’70復刻スタンプ』のQRコードも設置。5個集めると、もれなく『OSAKA GENKi PARK』のオリジナル缶バッジがプレゼントされたほか、抽選でアーティストのサインプレゼントも行われました。

  • イベント名
    OSAKA GENKi PARK
  • 開催日
    2020年10月10日(土)・11日(日)
  • 会場
    万博記念公園
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