大阪城西の丸庭園で「大阪ビッグバンドジャズフェスティバル」開催

2020年10月29日(木)

大阪城西の丸庭園特設会場

10月29日(木)、新型コロナ禍で大きな影響を受けた文化芸術活動の機会を創ってその活動を支援し、府民に鑑賞の機会を提供する「大阪府文化芸術創出事業」のプログラム「大阪ビッグバンドジャズフェスティバル〜OSAKA BIG BAND JAZZ festival〜」が大阪城西の丸庭園特設ステージで開催されました。会場では、新型コロナウイルス感染防止のため、「大阪コロナ追跡システム」への登録のお願いや検温、マスク着用などの対策がとられました。

17時30分の開場とともにオープニング演奏が始まり、弓場一誠トリオがステージに。尼崎市出身の弓場さん率いるトリオはサックス、ピアノ、ベースの編成です。ほんの少しだけ夕暮れの明るさが残った空に、クリアなサックスの音色が溶けていきます。

続々と観客が入場してくる中、多田恵美子トリオが登場。多田さんは「ニューヨーク・ブルーノート」にも出演したことのあるキャリアの持ち主。速いテンポでノリのいい「アイ・ガット・リズム」の後は一転、スローでメロウな美空ひばりの「川の流れのように」などを披露しました。

永田カツコ・TSUGUME&福田晃一トリオは、永田さんとTSUGUMEさん親子共演が見どころ。まずは赤いドレスに身を包んだ永田さんが笠置シヅ子の『買い物ブギ』を。ユニークなMCで笑いと拍手を取った後、TSUGUMEさんを呼び込みます。2人はパワフルな歌声で『聖者の行進』などを歌い上げました。

開演時間の18時30分、MCを務める漫才コンビ・アキナの2人と、吉本新喜劇の小寺真理さんがステージへ。改めて3組のトリオを紹介すると、大きな拍手が起こりました。小寺さんが、このイベントが「大阪府文化芸術創出事業」のコンテンツの一つとして開催されることを説明し、3人が「大阪ビッグバンドジャズフェスティバル、スタート!」の声で、ライブが始まりました。

最初にステージに登場したのが、「Music Unlimited Orchestra」。1曲目の「ザ・チキン」からビッグバンドならではの迫力あるサウンドを響かせました。メンバーが入れ替わり、ソロを取る度に会場からは拍手が起こります。曲間のMCではベーシストの清水興さんが、このバンドは以前アキナが司会を務めていたテレビ番組「関西発!才能発掘TV マンモスター+」から誕生したことを紹介。そして今日が久しぶりの演奏であることを話したあと、「キャラヴァン」「ヘイジュード」をプレイし、ビッグバンドの魅力をたっぷりと堪能させてくれました。演奏のあとには、アキナの2人が「お久しぶりです!」とメンバーに挨拶するシーンもありました。

そして、なぜかアキナが「大阪LOVER」をブルースっぽく歌ってスベるというくだりもありつつ、「アロージャズオーケストラ」の準備が完了。関西ジャズ界の雄として知られる歴史あるビッグバンドの演奏は渋いのひと言。安定感のあるリズム、粒ぞろいのホーン、キラキラと輝く音が大阪城の夜空に響きます。「アンビルコーラス」「枯葉」と続けた後のMでは、1958年に結成され、今年が結成62年目と説明があると会場からは拍手が。さらにリーダーが84歳であることが明かされると、改めて大きな拍手が起こりました。続いて、素晴らしいトランペットソロが印象的な「チュニジアの夜」が披露されました。

歌のゲストとして最初に登場したのが、ぼんちおさむさん。1曲目は「我が心のジョージア」。シンガー・ぼんちおさむさんは、いつも見せている漫才師の表情とは一味もふた味も違い、ビッグバンドを従えて見事な歌声を披露します。MCでは、アロージャズオーケストラとの共演は「人生で一番うれしい」と笑顔。おなじみのギャグ、ボケを見せた後、「All of Me」へ。このナンバーでは華麗なステップも披露するなど、終始ノリノリのステージでした。

続いて登場したのは神野美伽さん。演歌以外のアーティストとのコラボも盛んに行っている神野さんは「Come on My House」の後、オリジナルの「あんたの大阪」と立て続けに披露。パワフルな歌声で会場を盛り上げます。神野はMCで今日が十三夜であることを話し、「ロマンチックな、ドラマチックな月の歌を」と「Fly Me to The Moon」を熱唱、そして笠置シヅ子の「ヘイヘイブギー」で締めました。

そして、関西を代表するブルースシンガー、木村充揮が登場。「On Slow Boat To China」を歌い出したその一声で、たちまちステージを自身の色に染めてしまいます。歌い終わると「こんばんは〜、さよなら〜」とらしさたっぷりのMCで笑いを誘い、バンドメンバーや会場とのユニークなやりとりの後は「別れのブルース」を披露。そのハスキーボイスはビッグバンドとの親和性もピカイチ。「君といつまでも」では「死ぬまで歌い続けるぞ〜」とシャウトし、会場から歓声が上がりました。ラストナンバーの『嘘は罪』まで、あっという間のステージでした。

再びアロージャズオーケストラが「A列車で行こう」を聴かせた後、フィナーレへ。3人のゲストがステージに勢ぞろいし、まずはおさむさんが「ルート66」を熱唱。ラストに「おさむちゃんでーす!」が飛び出すと、会場は笑いに包まれました。神野さんがしっとりと、しかし力強く『テネシーワルツ』を聴かせると、ラストは木村さんの『モナリザ』。ビッグバンドジャズの魅力を堪能させてくれた「大阪ビッグバンドジャズフェスティバル」は幕を下ろしました。

  • イベント名
    大阪府文化芸術創出事業『大阪ビッグバンドジャズフェスティバル』
  • 開催日
    2020年10月29日(木)
  • 会場
    大阪城西の丸庭園特設会場
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