観心寺は高野山真言宗遺跡本山で、河内長野市の天野山金剛寺などと一緒に「中世に出逢えるまち」として、2019年度「日本遺産」に選定されました。また、「大阪みどりの百選」にも選ばれており、梅、桜、紅葉の名所として知られています。
会場になったのは重要文化財にも指定されている恩賜講堂。秋の行楽日和ということもあり、開場時間前から大勢の方が行列を作りました。新型コロナウイルス感染防止のため、「大阪コロナ追跡システム」登録のお願いや、検温、マスク着用などの対策がとられました。
演奏するのは、日本センチュリ―交響楽団の弦楽四重奏(ヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ)。ゲストは、世界的に活躍されているミュージカルソー(のこぎり)奏者のサキタハヂメさん。この場所でしか聴くことのできないセッションです。
弦楽4重奏の4人が登場し、さっそく演奏をスタート。曲はパッヘルベルの「カノン」。聴き馴染みのあるメロディーが弦楽四重奏で奏でられ、観客はさっそくクラシックの世界に引き込まれました。日本センチュリ―交響楽団の説明や曲目の紹介の後、ハーラインの「星に願いを」とジャズの定番曲でもあるカーマイケルの「スターダスト」が2曲続けて演奏されました。
ここでゲストのサキタハヂメさんが登場。河内長野市に移住してきたことを明かし、ミュージカルソーについて説明しました。サキタさんは「大阪では『おまえはあほか~』なんでしょうが、今日はやりません」と宣言すると、会場から笑い声も。四重奏とのセッションでは「日本の唄メドレー(里の秋、砂山)」を披露、のこぎりが奏でる独特の音と弦楽四重奏が見事にマッチしていました。
サキタさんが退場し、再び弦楽四重奏に。今年亡くなったロシアの作曲家、カプースチンの「弦楽四重奏曲第1番より第1楽章、第3楽章」が披露されました。事前の曲の紹介の通り、クラシックでありながら、ジャズのような、ロックのような感じを受ける響きでした。続いて、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」より「花のワルツ」が演奏されると、聴き馴染みのある曲とあって、会場から大きな拍手が起こりました。
最後に改めてサキタさんが登場し、「見上げてごらん夜の星を」を弦楽四重奏と再びセッション。演奏後にアンコールの掛け声があがるほど盛況のうちに幕を閉じました。