今回は、10月9日から開催中(31日まで)の「黒田征太郎展~絵で行けるとこ」(大阪府立江之子島文化芸術創造センター)の一環として、“黒田征太郎81歳の現在地”をライブペインティングで描きました。
以前、一緒にライブペインティングをしたという中川さんは「今日の再会を楽しみにしていました」と笑顔。3人によるパフォーマンスがスタートすると、ソウル・フラワー・ユニオン『地下鉄道の少年』をBGMに、3つのボードに絵を描きこんでいく黒田さん。軽やかに筆を運び、音楽に合わせて身体を揺らして、一番左側のボードには青色の△、中央のボードには黄色の✕、右側ボードにはオレンジ色の◯を描きました。
次の曲はリクオさんの『永遠のロックンロール』。お客さんから手拍子が起こり、会場はまたたく間に一体感に包まれます。そのグルーヴ感に黒田さんも気持ちが乗ってきたようで、ステップを踏み、手拍子に応えるように身体をゆらし、エネルギッシュに筆を走らせます。その背中からは、今このときを楽しんでいる様子がにじみ出るようです。
続いての曲は、阪神淡路大震災からの復興の厳しい現実と、それに向き合う被災地の方々の姿を歌にしたソウル・フラワー・ユニオン『満月の夕』。胸に染み入るようなメロディに乗せて、黒田さんは手でペイント。そして曲の終わりに「フォー!」と力強くシャウト。リクオさんは「黒田さんのペイントはまるで生き物みたいに変わっていくから目が離せないですね」。
このほかにも、リクオさん『オマージュ-ブルーハーツが聴こえる』のメロディーに合わせてエネルギッシュに身体を揺らせる黒田さん。後半に突入するつれ、会場のボルテージも上昇。リクオさん『あいのうた』では、まるで大合唱のような手拍子が響き、それに合わせるように、ときに筆で繊細に、ときに手のひらで大胆に描き続ける黒田さん。「ライブペインティング、最高〜!」というリクオさんの声に歓声と拍手が巻き起こりました。
中川敬さんが「黒田さんに捧げる曲」として歌った『さよなら港』では、黒田さんも一緒になって口ずさむ一幕も。ライブがクライマックスを迎えた頃には、最初の「◯」「✕」「△」の形からは想像できない見事なアートがボードに描かれていました。
ライブペインティングの感想を聞かれた黒田さんは、「やったもん勝ちやね」と笑顔。リクオさんも、この1時間のグルーブに酔いしれた様子で、「これがライブ。現場でなくちゃ、絶対に味わえないものだと思うんです。今の時期、無理しちゃダメだけど、ちょっと無理して来てもらったら、そのライブは必ず思い出せると思います。ぜひライブの現場に足を運んで下さい」とアピール。中川さんも「楽しかったです。黒田さんと再会できてうれしかった」と改めて喜びを表しました。
関西を代表するアーティストの黒田征太郎さんによる強烈なパフォーマンスと、音楽で人の心を震わせる中川敬さん、リクオさんによる、エネルギッシュなライブペインティングに、最後まで多くの人が歓声と拍手を贈っていました。