1981年に朝日放送でオンエアされた『戦国大笑記』を若井みどり、清水啓之、さらに吉本新喜劇座長の川畑泰史観客とともに鑑賞。38年前の映像に「僕が14歳の時や!」と川畑。画面に芸人たちが登場するたびに「誰や? 誰や?」との声が上がりました。
上映された『戦国大笑記』は織田信長の本能寺の変を描いた物語。信長役は元吉本新喜劇座長の木村進、「かっこいいな~」と惚れ惚れしたふうに話す川畑。出演者はほかにやなぎ浩二や島田一の介ら錚々たる顔ぶれです。そんななか、‟さる“というあだ名で登場したのが間寛平。「アヘアヘウヒハ」とギャグを放ち、舞台を所狭しと駆け回りと、今と変わらぬ言動に会場からも笑い声が起こります。山田スミ子と中山美保のWマドンナ、若々しい姿に在りし日を懐かしむ声もありました。舞台転換中は幕前での芝居なのですが、最中に後ろから金づちでセットを打つ音がトントン、トントンと響き渡ります。「音がすごいな~。今じゃ考えられへん!」と川畑、そんな大らかな雰囲気にもまた、時代を感じました。
宙がえりをはじめとしたアクロバット、コントの王道をゆくドタバタ、本格的な日本舞踊に殺陣のシーンなど、芝居要素の強い吉本新喜劇。歌舞伎のようなセリフの掛け合いがあったかと思えば、寛平が意味の分からない決め台詞で落とすなど、聞きどころも盛りだくさんでした。二枚目路線でも人気を博した木村はカリスマ的な魅力も放ち、迫真の演技で会場を沸かせていました。
放映後、「懐かしい感じがした」と川畑。みどりは「年末の特番ということですが、吉本新喜劇というより時代劇を見ているような感じで重みがありましたね」と感心しきった様子です。松竹芸能から吉本興業へと移籍したみどり、松竹芸能時代の思い出話も飛び出しました。「50年前の松竹芸能はとにかく上の方が厳しかった。はな寛太・いま寛大さんから聞いた話ですが、松竹新喜劇では、初代の渋谷天外さんがいて、次の座長が藤山寛美さんで。本番中は、座員さんたちは舞台袖で勉強しながら、場面場面で大きな声で笑っていたそうです。笑い声が大きい人は翌日、出番やセリフがもらえたそうです」とみどり、貴重なエピソードを聞かせてくれました。