入場した観客は、まずスクリーン、もしくは座席にあるQRコードを読み込み、LINEのチャットルームに入るところから、このイベントへ参加することになります。公演が始まると、まず後藤ひろひとが、今回のイベントが世界初の『LINE プロビアスバスターズ』であることを告げ、その前に即興演奏をお聞きいただきたいとアナウンス。
様々に彩色されたバケツを手にステージに現れたのは、今回の音楽ゲスト、志生太です。バケツを打ち鳴らし始めると、それはたちまち心地いい音楽に。自由自在にリズムを刻み、ビートを弾き出す志生太は、短い時間ながら、観客を魅了する演奏を聴かせてくれました。
続いて、後藤がステージに、これまでのインプロビアス・バスターズではよくて5、6人くらいからしかお題が出なかったそうですが、今回はLINEを導入したことを宣言。しかし世界で初めてなので、うまくいくかどうかはわからないとも。ワクワクしていると言いつつ、「いっしょに失敗しましょう!」と後藤が呼びかけると、会場からは笑いが起こりました。そしてオープンチャットがどういうものなのか、ステージ上のスクリーンにチャット中の画面が映し出されます。後藤がお題を出したあと、書き込み時間を設けるので、その間にお題の回答を書き込むというルールが伝えられ、まずは練習。「あなたの学校にいたおもしろいあだ名の友人を教えてください」というお題で、30秒のカウントダウンがスタート。するとスクリーンのチャットルームにはズラリと書き込みが並びます。
それを会場で共有、うまくいったところで、本日の出演メンバー6名の登場です。ここでもう中が抱えてきたものを後藤が尋ねると、自作の納豆とのこと。後藤も含め、会場中も意味がわかりませんが、手ぶらで来るのがどうかということで、作ってきたらしいと森田が明かすと、会場は笑いに包まれます。
そして、まず森田、クスミ、石塚の3人がアクティングエリアに並ぶと、後藤が「この3人はどういう関係でしょうか」というお題を出し、スクリーンの書き込みから「干支同じ」という回答をチョイス。続いての「彼らはどこにいるでしょう」に後藤が選んだのは「パドック」。ということで最初の即興芝居『干支同じ3人、パドックにて』がスタートします。
そのあともLINEを有効活用した様々なチャレンジを実施。次々と招かれざる訪問者がやってくる『ホームパーティ』、返品しにきた本人だけが何を返しにきたのかわかっていない『クレーマー』、お題をタイトルにした映画の予告編を即興で演じる『ムービートレイラー』など、後藤の問いかけに応じてスクリーンには次々と答えが並びます。予想外の回答が並ぶ様子に、会場だけでなく出演者も驚いたり、笑ったり。スクリーンを埋め続ける書き込みには、後藤も「普段からこれくらい出してよ〜」と嘆きつつ、笑顔です。
出演者たちは、さすがにテクニシャンぞろい。バラエティ豊富過ぎるお題を、苦労しつつもなんとかこなしていきます。「即興劇というのは成功を求めないでください」という後藤の言葉には、会場から笑いが。そして、その言葉に逆らうように四苦八苦する出演者の様子に会場は大ウケです。なかでも、異彩を放っていたのがもう中。変化球的な存在で場をかき回し、観客から絶大な支持を受けていました。
ラストは後藤から会場に「身近な人の口癖を教えてください」というお題が。そこで選ばれた『結局はそういうことやねん』を即興で歌にする人を選びますが、ここでも、もう中が投票でトップに選ばれる人気ぶり。微妙な美声を響かせます。そして閉会の儀も、もう中が担当。最後は後藤も「大成功だったと思います」と笑顔を見せ、私物の360度カメラで会場と記念撮影。最後の最後に“削除の儀”でオープンチャットを削除し、世界初の試みとなった『インプロビアス・バスターズ〜大阪文化芸術フェス特別編〜』は幕を下ろしました。