若手オペラ歌手による声の魅力コンサート


若手オペラ歌手による声の魅力コンサート
開催日 | 10月25日(水) |
---|---|
開催時間 | 開場 18:30 開演 19:00 |
会場 | あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール |
レポート | 大阪文化芸術フェスに注目の若手オペラ歌手たちが集結し、美声を披露! 10月末まで大阪の様々な会場でイベントが行われている「大阪文化芸術フェス2017」もいよいよ終盤。10月25日(水)には、あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールにて、「大阪文化芸術フェス2017」共催プログラムとして、若手オペラ歌手によるクラシックコンサート「声の魅力」が行われました。 NPO法人ヴォイス・アーツが主催の本イベント。出演したのは、ソプラノ・金岡伶奈さん、松井るみさん、メゾソプラノ・木村千晶さん、糀谷栄里子さん、テノール・谷口文敏さん、井上元気さん、バリトン・高橋純さん、下林一也さん、ピアノ・須山由梨さん、早川藍香さんというメンバー。まず主催のヴォイス・アーツが2004年に立ち上げられ、昨年度NPO法人化された声楽による団体であることや、音楽をより身近に、地域に貢献する活動を行っていることなどが伝えられたあとステージがスタート。最初にプログラム「声で魅せる歌曲の世界」として、世界各国の有名作曲家たちの歌曲が披露されました。 一番目はフランス歌曲から。ピアノ:早川藍香さん、テノール:井上元気さんでG.フォーレ作「ネル・夢のあとに」、ソプラノ:松井るみさんでC.ドビュッシー作「それは恍惚」、F.ブランク作「快活な歌」が披露されました。ピンと張り詰めた空気の中、美しいピアノの旋律と艶のある声が響き始めると、会場に詰めかけた観客はまたたく間に歌曲の世界に引き込まれていきます。 続いてはイタリア歌曲。ピアノ:早川さん、バリトン:高橋純さんがS.ガスタルドン作「禁じられた音楽」を、同じくバリトン:下村一也さんでO.レスピーギ作「昔の歌に寄せて」が歌われました。体全体を使って声を発する歌い手のパワーは圧倒的。速いテンポの軽快な曲から、スローで重厚なメロディまで自在に歌う様は、聞いているだけでこちらまで心地よくなってきます。 それから日本歌曲の團伊玖磨作「舟唄〜片戀〜」を、ピアノ:須山由梨さん、メゾ・ソプラノ:木村千晶さんが、テノール:谷口文敏さんは、越谷達之助作「初恋」を歌唱しました。ドイツ歌曲は、J.ブラームス作「永遠の愛について」、F.リスト作「おお、愛しうる限り愛せ(愛の夢第3番)」の2曲。それぞれピアノ:須山さん、メゾ・ソプラノ:糀谷栄里子さん、ソプラノ:金岡伶奈さんが演奏と歌唱を聞かせてくれました。 パートによるそれぞれのソロ、国によって違う言葉の響きの違いをしっかり楽しんだあと、前半の締めくくりとして歌われたのが、全員でのアンサンブル、J.マスネ作の「歌え!」です。8人がステージに並び、一斉に声を上げる姿は圧倒的。各自の声が美しいハーモニーとなって会場を包み込みました。 続いては「声の魅力交わるオペラ重唱」。前半のソロ曲とは違い、二重唱、三重唱、四重唱が楽しめるプログラムで、オペラの有名な曲から抜粋でシーンを披露することが説明されました。プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」、ヴェルディの歌劇「リゴレット」など、有名な歌曲が歌われましたが、すべての曲でストーリーの説明があったほか、ステージ上には歌詞の和訳が映し出される演出も。そうして物語を理解することで、より歌曲を楽しむことができました。 先程までのソロとは変わって、動き交えながら、身振り手振りで表情豊かに歌い上げる様子には、客席から笑いが起こるシーンも。ユニークな悪巧みやシリアスな愛憎劇、男同士の友情、自由を愛する女性など、各自の個性を活かした重唱で、様々な歌曲の選りすぐりシーンを堪能させてくれました。 2018年4月30日(月・祝)に芦屋市のルナ・ホールで開かれる次回公演の告知も行われるなど、終始リラックスした雰囲気で進行した後半のプログラムもいよいよラスト。出演者全員がステージへ登場し、客席に向かって一礼すると、会場からは大きな拍手が起こります。そして一旦ステージを降りたあとも鳴り止まない拍手に再びステージに全員が登場。声の魅力をたっぷりと堪能できたイベントは終了しました。 |