大阪芸術文化FES

2017年10月1日(日)- 10月31日(火)

大阪文化芸術フェス2017 DREAM LIVE 10月12日(木)

東京スカパラダイスオーケストラと高校生との共演 東京スカパラダイスオーケストラと高校生との共演

東京スカパラダイスオーケストラと高校生との共演

東京スカパラダイスオーケストラと高校生との共演 FM802 DJ 鬼頭由芽、落合健太郎 ベリーグッドマン 高橋優 東京スカパラダイスオーケストラ

開催日 10月12日(木)
開催時間 開場 17:45 開演 18:30
会場 グランキューブ大阪 国際会議場メインホール
レポート

“憧れのアーティストと共演”。
そんな高校生の願いを叶えた、まさに“夢”の一夜!

「大阪文化芸術フェス2017」のプログラムの一つ「DREAM LIVE」の2デイズ2日目が、グランキューブ大阪で開催されました。今回の出演はベリーグッドマン、高橋優、東京スカパラダイスオーケストラの3組。ライブに定評のある充実のラインナップが彩った夢のような夜をご紹介します。

まず舞台に現れたのは、FM802 DJの落合健太郎と鬼頭由芽。「今日もたくさんの人ですね!」(鬼頭)。「既に前のめり(笑)。学校帰りなのかな? 制服の子も多いね」(落合)と、2人も会場にあふれる期待感に驚きつつ、大きなタイトルコールでライブがスタート!

トップを飾るのは大阪発の3人組ボーカルユニット、ベリーグッドマン。「ベリーグッドマンのライブは参加型!」(MOCA)の第一声どおり、どんどん会場を巻き込んで突き進むアクトはライブの楽しさが濃縮。「Say Ho!」のコール&レスポンスにクラップ、左右に手を振って大型フェスのようになったかと思えば、全員でジャンプと、観客は知らないうちに耳だけではなく体全体で音楽を堪能。また、高速ラップのヒップホップやエモーショナルなメロディのポップと、音楽の多様性を彼ららしく体現。応援歌「ライトスタンド」では、客席もその詞に呼応。最後尾の人までもが大きく手を振る。加えてMCタイムでは華麗にフリースタイルのラップも披露。しっかりと最新カルチャーも多くの人に伝えてくれる。そして後半は「僕たち、夢を追いかけて10年ぐらい。自分たちの生き様を見て、(みんなにも)夢にチャレンジしてもらえたら」(Rover)と、夢を追いかける人の背中を押すひと言から、熱いメッセージがこもった曲を次々にプレイ。「ハイライト」では、3人の美しいハーモニーが心に触れ、天を指さしながら聴く人が続出。そしてラストは地元出身らしく関西弁のラップが響く「ベリーグッド」。すべての人がダンスのように体を左右に一緒に揺らす風景が広がり、全員が聴くだけではない音楽の楽しみを目いっぱいに感じているようでした。

熱さが残る会場から、さらに大歓声が起こって姿を見せたのは高橋優。テレビなどでもよく聴くヒットナンバーと存在感あるボーカルで、“初めまして”の人もあっと言う間にその音世界に引き込む。「福笑い」ではシンガロングも起こり、その歌詞のように音楽の持つ“笑顔にする魔法”にかかったようだ。また、高校野球の応援ソングにもなった「虹」については、「(高校野球を見て)1つのことに打ち込むってかっこいいなって思いました」とコメントし、心を込めて歌い上げられるそのナンバーには“歌魂”が宿る。気づけば老若男女問わず、すべての人がステージに夢中。そんな白熱のライブは、疾走感あふれる「Mr.Complex Man」やアグレッシブな「象」でさらにヒートアップ。観客は拳を突き上げ、「Oi!Oi!」のコールを起こすと、揺れるはずのないフロアが揺れるような感覚になって絶大なロックのエネルギーを目の当たりに。そして「みなさんと一つになれた気がしました。本当にありがとう!」と、最後はエモーショナルな「ロードムービー」をセレクト。語りけるように歌われる「つながっているよ」の言葉が胸を熱くし、全6曲のステージを終了。途中、本人が語った「忘れられない1日になりました」という言葉、観客もまったく同じ思いだったはず。

そしてついに「DREAM LIVE」も最終ステージ。その舞台に立つのは日本屈指のライブバンド、東京スカパラダイスオーケストラ。「我々の芸術はお客さんとの相乗効果で成立します!」(茂木)の言葉と共にライブをスタートさせ、人気ナンバーを立て続けると、そのスカのリズムと圧倒的な熱量に一瞬にして会場はダンスとクラップの嵐。学生も仕事帰りと思われる社会人も、誰もが自由に体を揺らす。年齢も性別も関係なく、心と時間を豊かにしてくれる音楽本来の力がそこにあるのが確かにわかる。そしてMCでは、若者の心を揺さぶる。ラテンアメリカツアーを終えたばかりということで「(若い人には)旅に出てほしいと言いたい。どんどん外に出るべき。そうすると(国でも人でも)良いところが見えてくる」(谷中)。ライブで世界を渡り歩く百戦錬磨の彼らの音楽と言葉は強く鮮明に心に焼き付く。そしてそんなエールを形として見せてくれたのが、この「DREAM LIVE」だからこそ実現した高校生との共演だ。なんとステージには、日新高校吹奏楽部の3人と上宮高校ストリートダンス部・BIG UPの4人が! コラボレーションするのは「Paradise Has No Border」。ゾクゾクッとするサビを吹奏楽部の3人が演奏し、BIG UPの4人はキレあるダンスで盛り上げる。会場からは「お~!」というどよめきが起き、今日一番のドラマティックな展開。その感動は、ガッツポーズを取る高校生、そして曲後も収まらない拍手と「幸せだね! 最高にうれしい!!」(谷中)という言葉になって現れる。さらにこの高揚感のなか鳴り響くラストの「All Good Ska is One」では、観客全員が肩を組んで左右に揺れる。ほかでは見ることのできないこの景色は、人と人をつなげられる音楽という芸術・文化のすごさを十分に証明し、「DREAM LIVE」は幕を下ろしました。

終演後MCに立った鬼頭からは、BIG UPの一人は東京スカパラダイスオーケストラの大ファンで、リハーサルから涙を見せていたとのこと。彼はこの夜で何かが変わったことでしょう。そしてそれはきっと、ご来場いただいた全ての人に共通することでしょう。音楽が人の心を動かした「DREAM LIVE」はまさに大成功。大阪に音楽がより深く根付いた2夜となりました。

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