大阪芸術文化FES

2018年9月29日(土)- 11月4日(日)

能とノイズム~能の身体文化と現代舞踊の身体性が拓く可能性

フランスのアヴィニヨン国際演劇祭、イギリスのエンジンバラ国際演劇祭とともにヨーロッパ三大演劇祭の一つとして知られるルーマニアの「シビウ国際演劇祭」。本年は25周年を迎え、初日にはイギリスのチャールズ皇太子を迎え、華やかに開催されました。
山本能楽堂はこのシビウ国際演劇祭に能として初めて招聘され、3年間連続して出演し、シビウ国際演劇祭 総監督のコンスタンティン・キリアック氏より「日本の伝統芸能は世界で最も崇高な演劇である」と高い評価を受けています。
今回の「能とノイズム」は、キリアック氏の発案により実現したプログラム。ノイズムのルーマニア公演を観たキリアック氏が、ノイズムの名前の由来に能が関係していることを知り、「山本能楽堂とノイズムはどうして一緒に活動しないのか?」と間をつないで下さいました。

公演では、世界中にファンを持つノイズムのトレーニング方法の一つである「Noismメソッド」を初めて一般公開し、井関佐和子氏による実演で、金森穣氏に特別に解説をして頂きました。そして、その後に、若手能楽師による仕舞を山本章弘が解説をしました。
シビウは人口17万人のまちに、演劇祭が開催される10日間に70万人の人々が集まる文化で都市再生をとげた創造都市です。今回は、日本における創造都市研究の第一人者で、日本各地の創造都市の取組を支援されている佐々木雅幸氏をモデレーターとして特別にお迎えし、世界で高い評価を受ける能とノイズムのショートパフォーマンスの差異について考え、金森譲氏と山本章弘が現代における身体文化の表現について初めて語りあいました。佐々木氏からは、ユネスコ創造都市をはじめ世界規模のグローバルな視点から文化による都市再生の可能性についても示唆され、ここ大阪からさらなる文化の発展の可能性について議論が行われました。来場者は、能と現代舞踏の組み合わせの妙を楽しまれ、第二回を開催して欲しいとの声が多く寄せられました。
日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞など多くのメディアでも取り上げられ、大きな話題となりました。

(出演者)
■佐々木雅幸(文化庁地域文化創生本部主任研究官 同志社大学特別客員教授、大阪市立大学名誉教授)
■金森穣(演出振付家、舞踏家、りゅーとぴあ新潟市民芸術会館舞踏部門芸術監督・ノイズム芸術監督)
■井関佐和子(舞踏家、ノイズム副芸術監督)
■山本章弘(観世流能楽師、重要無形文化財総合指定保持者、公益財団法人 山本能楽堂代表理事)

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