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“SPECTRUM” of OSAKA by JUNKO KOSHINO
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10/28、「光でつなぐ、大阪の未来・文化」をテーマにコシノジュンコのコレクション・光・音・パフォーマンスによる、伝統と未来が触発しあうショー"SPECTRUM" of OSAKA by JUNKO KOSHINO が現役の都道府県庁舎としては最古の大阪府庁舎で開催されました。大阪府出身、世界で活躍するコシノジュンコの約30年ぶりとなる凱旋ショーです。
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ファッションショーに先立って、大阪府内の大学生・専門学生・高校生を招いてリハーサル見学会が行われました。ショーの裏側やリハーサル風景など生の現場を体験できるチャンス。ランウェイの最前列で本番さながらのリハーサルを見学したみなさんは目を輝かせていました。学生さんと同じ席でリハーサルを見守っていたコシノジュンコさんは「リハーサルに見学の人がいると緊張感があっていいわね。みんながひとつになってショーを作り上げる。チームワークの美ね」と話すとみなさんも、しきりにうなずいていました。大阪市内のファッション専門学校に通っているという女性は「今日、見たものすべてが刺激になりました。ドキドキしました」と興奮気味に話してくれました。
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リハーサルが終わると、ショー本番までの時間で観覧者を迎える準備が行われます。スタッフのみなさんが慌ただしく作業される間、ショーのモデルさんはというと・・・意外にも控室でリラックス。モデルさん同士で談笑したり、鏡の前でキメポーズを携帯で撮り合ったりと和やかムードでした。しかし、ひとたび「スタート○分前です」の声がかかると緊張感が高まります。モデルさんの表情も一変。本番へのスイッチオンです。そのころ、会場の外には70人を超える観覧希望者の列が。約30年ぶりのコシノジュンコさん凱旋とあって、だれもが待ちきれないという表情で開場を待っていました。
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17:001回目のショーがスタートしました。場内が暗転すると満員の観覧席からホーッという声が。正面の大理石大階段前、ランウェイの中心に大太鼓、小太鼓、鐘と篠笛が現れ岸和田だんじりのお囃子が響きます。心沸き立つようなリズムを奏でる岸和田沼町青年団の6人が着ている揃いのハッピはコシノジュンコデザイン。黒地に白の縞模様が映える渋いデザインですが、チラリと見える裏地のピンクが粋です。岸和田はコシノジュンコさんの出身地。「今もだんじりのときには必ず帰ります。お囃子を聞くとわくわくします」と、大阪といえば地元岸和田のだんじりは外せません。300年以上続く伝統のお祭りです。
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お囃子がピタッと止むと場内にレーザーの光が走り、さまざまな色の光が点滅、地響きのような重低音のビートが鳴り響き、風格ある大理石と共鳴し合って、会場は一気にスペクタクルかつ近未来な世界に。そのなか、最初に登場したのが黒いネオプレーンでツノや尻尾を思わせる突起が目を引く、まるで恐竜のような衣装です。次々と登場するモデルさんは、颯爽とランウェイを歩きます。階段を降りるときも目線は正面真っすぐ。胸を張って滑るような足さばき。時には両手を腰にあてたり、スローターンしたり。着ている衣装がどうすれば一番良く見えるのか、計算された美しい動きです。
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青、ピンク、白と黒。鮮やかな衣装の色使いに合わせて、場内を駆け巡る光も色を変えます。歴史あるロマネスク洋式の庁舎内に投影されるプロジェクションマッピングやレーザー光線がマッチして何とも不思議な空間。そこに現れる個性的なデザインの衣装が見事にマッチしています。衣装には丸と四角、曲線と直線が絶妙なバランスで配されており、髪飾りやシューズ、アクセサリー、手にする小物にまでそのバランスが貫かれています。この日披露された45点、全てがオリジナリティあふれる衣装ですが、なかでも特に目を引いたのが、丸い輪がいくつも連なったようなデザインです。輪は体全体を覆っていたり、手の先からだらんと下がっていたり、頭の先から飛び出していたり・・・身を乗り出して見ていた小学4年生の女の子も「宇宙のお姫さまみたい。どうやって着るんだろう」とびっくり。後でコシノジュンコさんがあの輪っかは、だんじりの提灯をイメージしたものだと明かしてくれました。
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後半はダンサー20人が登場してキレのあるダンスでショーを盛り上げます。衣装はもちろんコシノジュンコデザイン。メンバーの中には中学生もいるというダンスチームのみなさんでした。フィナーレには紫のドレスに身を包んだコシノジュンコさんと共にハッピ姿の大阪府知事、サプライズで登場の落語家の桂文枝さんがランウェイに。スリーショットに大きな拍手が起こりました。
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大阪府知事は「初めは恥ずかしかったけど、だんだん気持ち良くなってきました。さすが世界のコシノジュンコ先生!空間そのものが芸術ですね」と笑顔を見せていました。
2回目のショーも無事終えたコシノジュンコさんは最後のランウェイでモデル顔負けのキメポーズを披露。観覧のみなさんとハイタッチをする一幕も。世界で活躍する大阪の大先輩コシノジュンコさんから、未来を創る大阪の若者たちへ「周りに遠慮せずに挑戦すること。世界観を持って、やる気があれば何でもできるわ」という熱いメッセージを残して伝統と未来が融合したショーが幕を閉じました。 -
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